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旧吉田茂邸 生前の客間など再現 4月1日から一般公開

社会

公開:2017年3月24日

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暖炉や籐製の応接セット、照明などが復元された「楓の間」
暖炉や籐製の応接セット、照明などが復元された「楓の間」

 4月1日にオープンする大磯町の旧吉田茂邸で、報道関係者向けの内覧会が17日に行われた。国内外の要人が訪れ、戦後政治の舞台となった応接間棟と食堂、新館がよみがえり、客間や書斎をはじめ調度品と照明、舟形の浴槽など昭和の宰相ありし日の邸内が再現されている。

 旧吉田邸は、養父吉田健三が明治17年に建てた別荘を吉田が引き継いだ建物。増改築を重ね、昭和19年頃から他界する42年まで本邸として暮らした。客間や書斎のある応接間棟は戦後、首相在任中に建てられた。30年代に建築された新館は、近代数寄屋建築を確立した吉田五十八が設計。外国人賓客をもてなす迎賓館のように利用されたという。

 邸宅は8年前に火災で焼失。歴史的価値を後世に伝えるため、大磯町郷土資料館の別館として町が再建した。地上2階地下1階。延べ床面積743平方メートル。展示・休憩コーナーや研修室、エレベーターなどを新たに設けた。建設事業費は約5億4千万円。

 応接間棟「楓の間」は、吉田没後に日米首脳会談が行われた客間。生前の写真や資料を基に復元した暖炉、革張りソファと籐製の応接セット、犬養毅ら政治家が吉田に宛てた書簡を表装した衝立のレプリカが設置されている。焼失を免れた虎の置物と、愛用したステッキの複製品も並ぶ。

 2階は書斎として使われた和室で、掘りごたつの部屋にある黒電話が、首相官邸へ直通電話をかけていたというエピソードを物語る。幾何学的なアール・デコ様式のデザインを採り入れた食堂「ローズルーム」も再現。最晩年の生活の場だった新館「金の間」と「銀の間」からは、吉田がこよなく愛した富士山の風景を見ることができる。息を引き取ったベッドも復元された。

 町郷土資料館の國見徹館長は「周囲の庭園と対になる邸宅の特徴的な部分を中心に再現した。建物自体が展示資料であり、吉田茂が過ごした空間をぜひ感じてほしい」と話す。

 入館時間は午前9時から午後4時まで。観覧料一般500円。中高校生200円。月曜日と毎月1日、年末年始休館。4月3日は臨時開館する。

企画展と記念イベントも

 旧吉田邸落成を記念して、町郷土資料館で3月26日から企画展を開く。「吉田茂〜その生涯と大磯」をテーマに吉田と大磯との関わりやゆかりの品々、生前当時の邸宅の写真などを紹介する。5月7日まで。

 学芸員による解説を4月9日と5月5日に行う。4月16日には、国学院大学文学部准教授の柴田紳一さんの講演会「吉田茂と大磯」もある(先着60人、申し込み不要)。いずれも午後2時から。入館時間午前9時から午後4時30分まで。無料。問い合わせは同館【電話】0463・61・4700。

 庭園区域を管理する県立大磯城山公園でも写真展や大磯高校生徒の華道展、スタンプラリー、野点などさまざまな催しを実施する。4月1日と2日にコンサートと七賢堂特別開扉、大磯ガイドボランティア協会による無料解説、似顔絵コーナー、盆栽展、地場産品の販売などが行われる。

 詳細は公園管理事務所【電話】0463・61・0355。
 

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