県内一の米どころとして知られる平塚市で生まれ、大磯町でも少量が生産されているブランド米の「はるみ」が、日本穀物検定協会の「米の食味ランキング」で最高評価の「特A」を受けた。県産米では初となる快挙で、関係者はおいしさにブランド力が加わった新品種の普及拡大を目指している。
今年の食味ランキングでは、全国で昨年収穫された141銘柄を審査し、「特A」から「,B(ビーダッシュ)」の5段階で評価。特Aには「はるみ」を含む44品種が選ばれた。
「湘南の晴れた海」にちなんで名づけられた「はるみ」は、JA全農営農・技術センター=平塚市=が1995年に開発し、2014年に品種登録した。コシヒカリとキヌヒカリを「親」に持つ交配品種で、コシヒカリのような粘りのある食感と、キヌヒカリの甘みとつやが持ち味だ。15年には、民間が育成した水稲品種としては全国初となる「奨励品種」に県が指定している。
JA湘南管内で14年に出荷した米は725tで、うち「はるみ」の出荷量は6・9t。15年は46・7t、16年には164・6tと右肩上がりだ。大磯町では16年に66tの米が収穫され、「はるみ」の出荷量は180kgだった。
草丈が低いので倒伏しにくく、長雨にも強いなど安定した生産が見込めることから、17年以降は「はるみ」をキヌヒカリに代わる主力米に据える計画。担当者は「特A選出により、生産者や出荷量も増えていくのでは」と期待を寄せる。
「おいしさが特徴なので良い成績だろうとは思っていましたが、期待以上の結果」と話すのは、同センター農産物商品開発室室長の森永靖武さん(51)。初期段階から「はるみ」の開発に携わってきた「生みの親」で、特A評価を機に「多くの人に地元のお米を味わってほしい」と語った。
今年度産の「はるみ」はすでに完売しており、2017年度産米は10月初旬から、平塚市のJA湘南大型直売所「あさつゆ広場」をはじめ各地区の直売所などで販売される予定。
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