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大磯・二宮・中井 社会

公開日:2018.03.16

写真資料展
東日本被災地 復興の記録
大磯在住の永嶌進さん

  • 石巻市の日和山から中瀬公園を臨む(2017年2月永嶌さんが撮影)

  • 復興計画をまとめたパネル

 「震災から7年経ちますが、被災地では復旧・復興事業が進んでいるものの、今も家族の行方を捜している方や、応急仮設住宅で生活を続けている人が多くおります」。そう話すのは、宮城県石巻市で計2年半ほど公共事業の復興支援に当たった永嶌進さん(71)=大磯町。「東日本大震災から7年『3・11を忘れない』写真資料展―東日本大震災復興の現場から―」で、現地で撮影した写真や復興計画をまとめたパネルなどを展示している。3月30日(金)まで、県立秦野戸川公園パークセンター(秦野市堀山下1513)1階図書コーナー展示室で午前9時から午後4時30分。入場無料。問い合わせは同園【電話】0463・87・9020へ。

 永嶌さんは相模原市出身で、定年退職をするまでの42年間、神奈川県の県土整備部で勤務し、その後、県道路公社、県公園協会に勤めた。戸川公園の園長職に就いていた2011年3月、東日本大震災が発生。「長年土木行政等に関わってきた経験を被災地の復興支援に役立てたい」という思いが募っていったという。

土木行政の経験を復興支援に活かして

 被災した自治体では膨大な復興まちづくり事業が計画され、専門的な知識や経験、ノウハウを持った人材の確保が課題となった。そこで復興庁では全国の自治体の職員や公務員OB、民間企業経験者等を対象に被災自治体での任期付職員を募集し、派遣してきた。

 永嶌さんは園長職を退任後、復興庁の職員採用に応募。2014年4月から復興支援専門員として宮城県石巻市へ派遣され、公共下水道管理業務に従事した。翌年3月に神奈川へ戻るも、15年10月に再び石巻市へ。同市の任期付職員として17年3月まで防災集団移転宅地造成促進事業業務を担当した。

 開発許可申請の手続きや地元説明会の準備、設計・施工業者と意見を交わし決裁を取るなどの調整に追われる日々は「とてもやりがいがあった」と振り返る。同じように全国各地から集まり共に事業に取り組んだ職員仲間や、懇意になった現地の人々との交流も深まり「第2の故郷のように思っている」という。

 今回の展示では、石巻市や周辺の女川町など7市町の復興現場を撮影した写真や、現地で手に入れた資料、さらに、復興計画などを永嶌さんが独自にまとめたパネル60枚などを紹介している。

 永嶌さんは「復興によって被災した町がどのように変わっていくのか、その記録を残すことで震災を知らない世代にも伝えていきたい。人命を守ることの一助になればと思います」と話している。

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