二宮町教育委員会は、小中一貫教育を町立小中学校5校で導入し、2030年度をめどに一色小と二宮中の2校を拠点とする小中一貫教育校を設置する計画案を発表した。9年間を通じて、子どもの発達段階に応じた指導と支援を行う。
町教委は県の小中一貫教育推進事業の委託を受け、17年度から18年度にかけ小中一貫教育の研究を進めてきた。全校を対象にした一貫教育の導入は、グローバル化を見据えた英語教育の充実を図り、学校生活や学習などの環境の変化に適応できない「中1ギャップ」の緩和などを目指す。
計画案では、段階的に5校を統合していく。25年度までは小中5校を維持しながら、小学校に中学校の英語教諭が乗り入れて英語の授業を行うなど、部分的な一貫教育を実施する。
26年度に二宮西中を一色小に統合し、施設一体型の小中一貫校をつくる。山西小は西中と、二宮小は二宮中と組んで施設分離型の一貫校に。30年度からは山西小を一色小へ、二宮小は二宮中へ統合。必要に応じて学校施設の改修工事も同時に進めていく。
ピーク時の4割
背景には町の児童・生徒数の減少もある。今年5月1日時点の児童数は1202人、生徒数624人。児童数が最も多かった1980年の3203人、生徒数がピークだった1985年の1612人と比較して児童・生徒とも6割以上減少した。
3校ある小学校のなかでも児童数や学級数に差が生じている=表。一色小は6年生を除く学年がすべて単級で、クラス替えができない状況だ。住民や保護者の代表などでつくる研究会は、子どもたちの学び合いや成長などの観点から、学校は一定の規模を確保することが望ましいという考えを示している。
7月に意見交換会
学校の統合で懸念されるのは、学区編成やそれに伴う通学距離・時間の拡大、地域住民にとっても災害時の避難所である学校施設が今後どのように利用されるかだ。 町教委では今年度中に小中一貫教育校設置計画を策定する方針で、7月に6回の意見交換会を開く。担当者は「通学路の安全確保やスクールバスが必要になるのかなど、たくさんの課題がある。意見交換会でさまざまな意見を吸い上げ、義務教育の9年間を見通して切れ目のない指導ができるよう、系統的なつながりのあるカリキュラムを作っていきたい」と話す。
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