神奈川県内の小中学生を対象にした「社会を明るくする運動」作文コンテストで、大磯中学校3年の石塚もえさんの作品「ツバメと校則から社会を考える」が神奈川県更生保護協会理事長賞を受賞した。
犯罪と非行のない地域社会づくりや罪を犯した人の立ち直りなどについて考えたことや感じたことをつづる同コンテスト。今年度は、県内338の参加校から約9600点の応募があった。
夏休みの自由課題として作文に取り組んだ石塚さんは、以前インターネットで知って興味を持った海外と日本の矯正施設の違いを調べ直し、自宅や学校での自身の経験や実感を交えて自らの考えをつづった。
自宅の車庫に巣作りをするツバメを愛しく思い「無事巣立ってほしい」と思う温かな気持ちと、校則の少ない大磯中を「先生や保護者の信頼の証」と誇りに思い、その思いに応えようと生徒たちが自然とルールを守っている姿を矯正施設や社会に置き換え、同じような気持ちや仕組みが必要ではと訴えた。その裏付けとして、入所者が動物の世話をしたり、自由を制限しすぎないことで自主的な更生を促す海外の矯正施設の事例と出所者の再犯率の低さを提示し「日本でも動物と積極的に関わるプログラムや、自由の中で周囲との信頼関係が築けるようなシステムの導入が進むことを願います」とまとめた。
大磯保護司会の櫻井智定会長は「入所者の心の大切さに気付き、再犯率にも目を向けた点が素晴らしい。これからも視野を広く持って、周囲に自分の思いを伝えていってほしい」と称えた。
思いを行動に
4月から高校生になる石塚さんは「みんなに知ってもらいたいと書いた作文が評価されてうれしい。高校でも大磯中の自由な校風や今回学んだ知識を周囲に広めていきたい」と抱負を語った。将来は、学校に通えない海外の子どもたちに学びの場を提供する国際貢献活動に興味があるという。母・美樹さんは「書きたい・伝えたいという本人の情熱が今回の受賞につながったのだと思う。これからもその思いを大切にして頑張ってほしい」と娘の成長を優しく見守っている。
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