大磯町で建て替え工事が進められていた茶屋町会館が4月に落成した。新型コロナウイルスの影響で地元住民へのお披露目が見送られ、利用もできない状況が続くが、地域待望の施設として開放の時を待っている。
茶屋町町内会(約200世帯・鈴木豊男子区長)が利用する施設で、敷地面積127・73平方メートル、延床面積96・44平方メートル、木造・RC造の地上1階地下1階建て。集会場と町内会の神輿や防災用品などを収納する倉庫などを擁し、車椅子でも利用できるバリアフリー設計になっている。
計画から10年
元区長の渡邉武美さんがまとめた「茶屋町町誌・周辺誌」によれば、以前この場所には塔前寺という地蔵堂があったとされる。地権者が譲与に困り1932年に南下町・茶屋町両町の世話役10人の名前で登記されたが49年の火事で焼失し、51年に跡地に公民館が建てられた。2009年に行われた耐震診断で、震災時に倒壊する恐れが指摘されたことから耐震化工事と新築の両面で対策が検討され、建物の老朽化や費用などの点から建て替えを決定。長らく放置されていた登記簿の問題についても、国内外に散らばる世話役の子孫に連絡を取って権利関係を整理し所有権を町へ移した。住民や町からなる公民館建設委員会による協議や度重なる入札の不調などを経て19年にようやく着工、20年3月に竣工した。
集会室の一角には、塔前寺の本尊だった地蔵菩薩像が安置されている。茶屋町町内会では毎年秋に、本尊に念仏を上げる地蔵尊祭を催してきた。鈴木区長は「コロナが落ち着いたら、あらためて地域の皆さんに茶屋町会館をお披露目する機会を設けたい。茶屋町も高齢化が進み、これからさらに地域内のつながりや助け合いが大切になってくる。住民が気軽に寄れるようなコミュニケーションの場として活用していきたい」と話している。
大磯・二宮・中井版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|