毎年6月に大磯こゆるぎ海岸で開催されてきた「大磯白キス投釣大会」が、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため今年の開催が見送られた。屋外とはいえ毎年、町内外から200人前後の釣り人が参加することから大事をとった形だ。大会はなくなったが、6月に入り海岸はシーズンを待ちわびた釣りファンらで賑わいを見せている。
海岸に多くの人出
6月初めての週末、緊急事態宣言の解除に伴い1日から利用が再開された大磯港の駐車場は県内外ナンバーの車両であふれ、海岸では一定の距離を保ちながら磯遊びや日光浴、釣りや散歩を楽しむ人で賑わいをみせた。白キス釣りを目的に訪れた60代の男性は「朝8時に来たが、釣り場がないほどの人出だった」と驚く。釣りを通じて知り合ったという60代の男性グループは「今日はあまり釣れていないが、陽気が良くなって海水温も上がってきている。これまで外出自粛で釣り人も少なかったから、これからたくさん釣れるようになると思う」と期待を寄せている。
コロナの終息願う
1949(昭和24)年に第1回が開かれ、日本で初めての白キス投げ釣り大会といわれる同大会。現在は大磯町観光協会が主催、町や大磯二宮漁業協同組合らの後援で開催されているが、地元釣具店の尾上正一さん(87)によれば、当時の釣り好きの小説家や写真家、財界人、正一さんの父・榮吉さんも会員だった「大磯リール会」が町に持ちかけて大会が始まったという。以来70年、時代を超えて釣り人たちを魅了してきた大会だった。
緊急事態宣言中は尾上さんも店にのぼりを飾ることを控えたり、釣り場に関する町外からの問い合わせにも答えづらい状況が続いた。宣言解除後も、来店した釣り人には「一カ所に固まって釣らないように」とソーシャルディスタンスの確保を呼びかけているという。「これまで荒天を除けば中止されなかった大会。コロナが終息して、来年には大会が開けるようになってほしい」と父の代から続く大会の復活を強く願う。
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