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大豆発酵食品で貧困支援 大磯から日本伝統食を発信

経済

公開:2020年9月11日

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小野岡代表(上写真中央)と大磯の本社(左下)、大豆発酵食品「SOYFFEE」
小野岡代表(上写真中央)と大磯の本社(左下)、大豆発酵食品「SOYFFEE」

 大磯町西小磯の国道から海側へ少し入ったところにあるフルリノベーションが施された古民家で、週に3日だけ営業している一風変わった店舗がある。自社開発の大豆発酵食品「SOYFFEE」の製造と販売を通じて貧困国支援に取り組む「Shonan Soy Studio」の小野岡圭太代表(30)=人物風土記で紹介=に話を聞いた。

 SOYFFEEは北海道産大豆をラオス産コーヒーで煮て、納豆菌で発酵させたもの。コーヒーの香りで臭いを抑えながら納豆の持つ優れた栄養素を摂取できる、高たんぱく質でヘルシーな大豆発酵食品だ。そのままでも食べられるほか、ヨーグルトに混ぜるなど様々な食べ方が楽しめる。

 学生の頃から海外を巡っていた小野岡さんは米国留学中にベジタリアンやビーガンの文化の広がりと、豆腐や豆乳など日本の大豆製品が健康食品として注目を集めていることを感じた。一方で栄養価が高いものの、臭いのために納豆だけは受け入れられていないことに着目し「リブランディングすることで、日本の伝統食をより多くの人に広められないか」と考えたという。またラオスの農村に滞在した際、子どもたちが日々の食事のために幼い頃から働き手となり、勉強をする時間も作れない現状を目の当たりにして「彼らのために何か手助けができないか」と強く思った。その一方で「ラオスの人々の表情は明るく、みんな幸せそうに見えた。それは僧侶たちが托鉢で得た食べ物を恵まれない子どもたちにも分け与えるなど、『富の再配分』がされているから。日本でも似た仕組みができないだろうか」とも考えた。

 こうした経験から同店では企業理念に「Bite for Bite 〜あなたの一口が世界の誰かの一口に〜」を掲げ、売り上げの一部を貧困国の支援に充てている。食を通じて、生まれた場所や環境によって生じる世界の機会格差を是正していこうという取り組みだ。

思い伝える手段に

 2019年9月にオープンした大磯の店舗は本社と製造工場、試食もできるショールームを兼ねている。「日本の伝統食をブランディングするので日本らしい雰囲気を」と築60年以上の古民家を選んだ。1周年を迎え「想像していた以上に企業理念に賛同し、応援してくれる人が多かった」と手応えを感じている。

 新型コロナの影響で4月に予定していたラオスでの支援活動を見送らざるを得なかったが、急きょ現地のコーヒーを輸入して店舗で販売するなど、支援の手は止めない。今後も新商品の開発や町内に空き家を活用したカフェスペースを作ることなどを計画し、その収益をさらなる貧困国支援に役立てていく。

■Shonan Soy Studio(大磯町西小磯119の1/(木)・(金)・(土)営業/【電話】0463・79・8484)
 

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