YouTubeで公開している二宮町消防署の動画が「かっこいい」と評判だ。日々訓練に励み、昼夜も職務を遂行する消防職員の姿を収めた2分弱の動画。同署のPRを兼ねて「住宅火災から大切な家族を守りましょう」とメッセージを送る。動画制作を趣味にする消防隊員2年目の高橋啓太さんが中心となり、昨年12月に職員みずから撮影と編集をした。
おもに訓練シーンを撮った消防士長の美濃島寛識(ひろさと)さんは「消防士の視線で臨場感が伝わるようにカメラの位置とアングルを意識した」と話す。編集も担当した高橋さんが、BGMに合わせて緩急の動きがある場面をつないだ。休日を編集作業に充て、約1カ月で完成。1月19日から公開を始めた。高橋さんは「先輩たちの協力があり、『何回も見た』と言ってくれる人もいた。動画を作った甲斐がある」と手応えを感じている様子。
コロナ禍の啓発活動
新型コロナウイルス感染拡大の影響で消防署の啓発活動にも支障が生じた。住民と対面して火災予防を訴えることが難しくなったからだ。火気の使用機会が増える冬を迎える中、防火意識を高めてもらう方法として職員から動画を公開する案が出た。「ステイホームでも気軽に見られる動画の発信力を生かし、町民とともに火災のない明るい町を目指していきたい」と秋澤孝治署長。
建物火災が増加
二宮町内では2017年に年間の建物火災件数ゼロを達成。翌18年は3件、19年は1件だったが、昨年は8件の建物火災が発生した。過去10年で最も多い。
消防庁の統計によると、全国における住宅火災犠牲者の約7割が高齢者。町消防本部の小椋淳喜消防長は、同町でも高齢者に向けた火災予防活動の強化を重視する。「古い家電製品からの発火やたばこの不始末、コンロの火が衣服に燃え移るケースなどに注意して」と呼びかける。
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