大磯町の町立小中学校で、ビデオ通話アプリを使用した授業のライブ配信の準備や検討が進められている。感染不安による自主欠席や、家族に陽性者が出て自宅待機をするなどの家庭の事情で登校できない児童・生徒の学習を保障するため、学校で貸与されているタブレット型端末を持ち帰り、自宅からでも授業を受けられる体制づくりを目指す。
緊急事態宣言を受け、夏休み明けから授業時間の短縮を行ってきた同町の小中学校。通常授業の再開にあたり、コロナ禍で登校できない児童・生徒への学習保障の方法を模索している。各校は全小中学生に貸与されているタブレットを用い、オンラインで課題に取り組めるアプリを活用するなど家庭学習に役立ててきたが、授業のライブ配信は初めての試みとなる。
模索続く
大磯小学校では授業のライブ配信にむけて、9月2日に約900台あるタブレットの動作確認、3日に接続テストを行った。接続テストでは教室と児童の自宅をビデオ通話アプリでつなぎ、音や映像に問題がないかを確認。学級の担任教諭が画面越しに挨拶をしたり黒板に文字を書いてみせると、接続テストに協力した家庭の児童らが元気よく挨拶を返し、マスクを外した姿で笑顔を見せた。同校では教員や保護者から接続テストの感想や意見を聞き取り、今後にフィードバックする。
授業のライブ配信は、現時点では一部の児童・生徒のための対面授業の補完に過ぎない。配信の際に担任教諭のタブレットをカメラにするためタブレットを使った授業が行えなくなる(余剰のタブレットはない)点や、全校が一斉にオンライン授業を行った場合にインターネット回線がパンクする恐れ、ネットを利用する子どもたちのモラル教育や個人情報保護など安全面の確保も必要になるなど、まだ課題も多い。同校では手始めに、朝の会と授業1コマの配信からスタートする予定だ。青木弘校長は「少しずつ始めてみて、様々な課題や要望に対応しながら、徐々に配信する授業を増やしていきたい。今は一方的に授業の様子を配信するだけだが、いずれは双方向にも対応し、子ども同士もやり取りできるようなテレビ会議システムになっていくと思う」と話している。
他の3校でも欠席児童・生徒への学習保障対策をそれぞれに講じながら、オンライン授業の実施に向けた準備や検討を進めている。国府中学校では6日に配布したプリントやHPで「アプリを使用した学習(授業配信等)も可能です」と保護者らに呼びかけた。
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