大磯が物語のモデル地になっている作品『神神化身』が、若い世代を中心に人気を集めている。同作品は、日本各地に伝わる郷土芸能や神事の要素を盛り込み、伝奇小説と和風楽曲を両軸に展開するメディアミックスプロジェクト。千年を超える歴史を持ち、相模国府祭などの神事が根付く大磯の土地柄が作品にマッチしたことからモデル地の一つに選ばれた。8月には出演声優らによるネット生放送で、物語の舞台「浪磯」の聖地(モデル地)として大磯町が紹介された。地元を舞台にしたコンテンツに町も期待を寄せ、取材協力などの形で応援している。
地域振興に期待
3年に1度行われる大祝宴で「カミ」と呼ばれる存在に舞と音曲を披露し喜ばせた者が、あらゆる願いを叶えられるとされる世界。覡(げき)と呼ばれる舞い手の青年たちはそれぞれの心願を成就するため、最も優れた2組だけが立てる大祝宴を目指して各國の覡と競い合う。
『神神化身』は、株式会社ドワンゴのIPブランド「IIⅤ」がプロデュース。気鋭の作家・斜線堂有紀さんが原作と小説、人気イラストレーターの秋赤音さんがキャラクターデザインを担当し、ネット上での連載小説や動画・楽曲の配信、CDやグッズなど多方面に展開している。今年3月に刊行された書籍『神神化身 壱 春惜月の回想』では、浪磯を拠点とする相模國舞奏衆「櫛魂衆(くししゅう)」のメンバーらが宿命と出会い、覡として舞台に立つまでの前日譚と謎多き世界観が描かれた。作中には六所神社の祭神や櫛(く)魂(し)まつりに由来した名称、相模国府祭に着想を得たフレーズなどが登場し、随所に大磯を感じさせる風景描写もある。取材や監修に協力した六所神社は「作品と同じ角度で写真を撮っていく人も見かける。大磯町や神社に興味を持ち、訪れるきっかけになれば」と話し、大磯港港湾管理事務所に神神化身の特設展示スペースを設けるなど応援する大磯町も「町で進めている観光を軸にした経済振興『大磯らしい潤いづくり』と重なる部分もある。多くの方が大磯を訪れて作品の世界観を感じて頂き、コロナ収束後の地域活性化につながれば」と期待を寄せる。
10月に1周年を迎える神神化身プロジェクトは「日本各地で受け継がれてきた郷土芸能や神事を幅広い世代へ繋げていきたいという思いから生まれた作品。昨今の状況下だからこそ、コンテンツの力で地域振興のお手伝いがしたい。櫛魂衆には大磯町ゆかりの要素が様々に反映されているので、地元の皆様にも作品と櫛魂衆を応援して頂ければ」と話している。
■公式サイト【URL】https://kamigamikeshin.jp/
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