大磯町で育成された桜「大磯小桜」が、このほど島根県美郷町へ寄贈された。昨年11月に両町で締結した「地域活性化に向けた包括的連携協定」のシンボルとして植樹される。
小さく可憐な花が枝に絡みつくように密生して咲く姿が特徴の大磯小桜は、大磯町月京在住の齊藤廣昭さん(86)が20年以上前から育成に取り組んできた桜。大磯運動公園などに植樹されており、3月中旬に花を咲かせる。2020年2月に「公益財団法人 日本花の会」により新たな園芸品種に認定された。
桜の寄贈は、1月21日に齊藤さんから苗木を譲り受け、翌22日にオンラインで開催された協定締結記念講演会にも参加していた鈴木教夫さん=大磯町寺坂在住=が「友好の証として美郷町に大磯小桜を贈っては」と思いつき町に提案。町が齊藤さんに相談し苗木の提供を受けることが決まり、美郷町からも歓迎すると返答があったことで実現した。2月7日に西小磯の圃場で苗木の掘り取り作業が行われ、挿し木から約5年の苗木2本が用意された。作業に立ち会った齊藤さんは「自分では考えもしなかったことで、とてもうれしい。美郷町の皆さんに喜んでもらえれば」と話し、大磯町も「協定締結のシンボルとして、美郷町の方々が大磯町を身近に感じてくださるきっかけになれば」と期待する。
美郷町は島根県の中央部に位置する人口約4400人の山あいの町。町ぐるみの鳥獣害対策や害獣資源化の取り組みの先進地として注目され、全国から視察が訪れる。大磯町とは鳥獣害対策を縁に、各々のノウハウやネットワークを提供し合うことで町の課題解決や地域振興につなげることを目的に協定を結んだ。大磯小桜の寄贈に対し美郷町は「町民や視察など多くの人の目に触れる場所に植樹して、桜の成長と共に大磯町との交流を深めていきたい」と話している。
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