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公開日:2022.04.08
障害者福祉施設かたつむりの家
移設し新たな船出
地域交流スペースも設置
社会福祉法人おおいそ福祉会が運営する障害福祉サービス事業所「かたつむりの家」の移転新築を祝う開所式が、4月4日に大磯町生沢の新施設で催された。建物の一角には地域交流のためのスペースも設けられ、地域に根差した共生社会の実践を目指している。
木のぬくもりが感じられる新施設は敷地面積725・59平方メートル、延床面積約316・44平方メートルの木造地上1階建。移転前より占有面積は狭くなったが、従来の生活介護事業と就労継続支援B型事業に新たに短期入所を加えた定員41人としており、移転前(36人)より受け入れ人数を増やしている。総工費の約1億4000万円は、自己資金に加えて国・県の補助金、福祉医療機構からの借入、後援会や一般からの寄付などで賄った。
敷地内にはハナミズキやヤマボウシ、ミカンやブルーベリーなどの花木が植栽され、建物には県産木材を使用、太陽光発電と蓄電池も設置するなどSDGsにも取り組んでいる。部屋は利用者が軽作業などを行う作業室をはじめ相談室や医務室、厨房などがあり、道路に面した一室を「販売体験スペース」にしている。ここは誰でも気軽に立ち寄ることができる地域交流の場として開放され、利用者が製造したパンや焼き菓子も販売。末村光介施設長は「利用者と地域の人がふれあうことで、支援が必要なことだけではなく、仕事を任せられることなど、障害のある人への理解を深めてもらえれば」と期待する。
親しまれる場所に
1985年から障害者福祉に携わるかたつむりの家は、2003年の横溝千鶴子記念障害福祉センター開設当初から2階を活動拠点としていたが、後に町と施設の使用をめぐり対立。利用者の増加もあり、その頃から将来的な移転先を探していた。10カ所以上の候補地の中から、自然が豊かで地権者の理解もあるこの場所を新天地に選んだが、市街化調整区域だったため手続きに苦慮。昨年10月に着工し、今年3月に竣工した。同会の野口富美子理事長は「後援会をはじめ多くの皆様のご協力と、受け入れてくださった地域の皆様に感謝している。これからは地域の一員としてイベントなどにも積極的に参加しながら、多くの方に親しまれる場所にしていきたい」と話している。
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