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公開日:2022.11.18
二宮町在住上島(かみじま)さん
擬宝珠(ぎぼし)制作で表彰
鳥取城跡の橋復元に寄与
二宮町在住の上島(かみじま)国澄(くにすみ)さん=人物風土記で紹介=が、鳥取県の国指定史跡である鳥取城跡擬宝珠(ぎぼし)橋の復元工事において擬宝珠の制作に協力し、今年8月、日本建設業連合会による「日建連表彰」土木賞の特別賞に選ばれた。長年の鋳物研究で培った技術と知識をもとに江戸時代の色付けを再現し、「モノづくりの原点として伝統技能を生かし、技術の伝承に貢献している」と高く評価された。11月25日には、日建連表彰の式典に登壇する。
鳥取城跡の内堀に架かる擬宝珠橋は、鳥取城の正面玄関の入口として1621年に創建され、何度かの架け替え、修繕を経て1897年まで存続していた。鳥取市が2016年から19年にかけて、国指定史跡の城郭で木造の復元橋としては全国最長の36メートルを復元した。
橋の名前の由来にもなっている「擬宝珠(ぎぼし)」は橋の欄干の上に飾られる装飾のこと。上島さんは施工主から依頼を受け、擬宝珠12個の制作を手掛けた。現存していた1つの擬宝珠を3D計測し、図面に書き出して鋳型を制作、工法指導、色付けなどの総合監修をした。
鍛造した擬宝珠の色付けは「煮黒目(にぐろめ)塗装」と呼ばれる伝統工法を採用。浴槽で煮込んだ煮黒目液に漬けることで金属の酸化反応を起こし着色するが、「液の劣化やかき混ぜる速度、液が垂れてくることでムラが出来てしまい苦労した」と試行錯誤の過程を振り返った。
ものづくり魂注いだ結晶
上島さんは、県立工業高校の教師として35年勤務し、現職時代から鋳物研究に携わってきた経歴を持つ。「自分のやってきたことが生きて、第2の人生で花開くことができ感激」と喜びをあらわにした。
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