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公開日:2018.07.21

10年目のストライク
高校野球開幕試合で球審

  • 自身初の開幕試合の球審を務めた湯川さん

 連日熱戦が繰り広げられている第100回全国高校野球選手権記念南北神奈川大会。審判員として勤続10年を迎えたのは中学生の硬式野球チーム小田原足柄リトルシニア出身の湯川拓海さん(35)だ。

 7月8日に横浜スタジアムで行われた開会式で表彰され、直後の開幕試合で球審を務めた。元中日の山本昌広さんと元巨人監督の原辰徳さんが投打を務めた始球式で「プレイボール」をかけると共に湯川さんの夏も幕を開けた。始球式後、「原さんと握手してリラックスできました」と笑い=右下写真、自身初の開幕試合の球審に臨んだ。

負ければ終わりの責任感

 開会式の緊張感と熱気が冷めやらぬ中で行われた大一番。「高校生らしくハツラツとしたスピーディーな試合になるように」と攻守交代の際には自らも俊敏に動き、両チームのベンチ前に出向いて「全力プレー」を促した。その甲斐もあって、試合はロースコアで引き締まった展開となった(逗子2―1金井)。

 日頃のジャッジで心掛けていることは「グラウンドでプレーする選手たちを引き立てる冷静な判定をすること。特に高校生たちは2年半の思いが一試合にすべて詰まっていますから」。誤審で試合の流れを変えてしまうことのないよう、責任感を前面に出す。

「いつか甲子園で」

 審判員はボランティア。普段は工場の職員として勤務する湯川さんは、自身も高校時代は立花学園高野球部で白球を追った。22歳のときに少年野球や社会人チームの審判員としての活動を始め、25歳で神奈川県の高校野球の審判を志した。

 「試合に入り込んで、覚えていないということが意外と多い」と試合後は録画したビデオで自身の動きをチェック。「より正確な判定につなげていきたい」と語る湯川さん。夏の神奈川大会で審判員を務めるのは毎年4〜5試合ほど。「60歳で定年を迎えるまでに、いつか甲子園球場でジャッジをすることが夢」。今夏の湯川さんの熱闘も球児たちとともに続く。

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