小田原市は2月から、国登録有形文化財「清閑亭」(市内南町)の有効活用を目的とした検討を開始した。施設の将来像として市は「食」をテーマとした運営を目指すとしており、民間事業者から提案を求めるなど、公民連携で活用策を探っていく。
清閑亭は明治期に活躍した黒田長成侯爵の旧別邸。建物は2005年に国の有形文化財に登録、翌年に敷地が国の史跡指定を受け、08年からは市の所有となっている。
現在はNPO法人小田原まちづくり応援団が建物見学や周辺の観光散策拠点として運営。文化イベントや喫茶の提供なども行っており、来場者数は年間2〜3万人ほどで推移している。
市は歴史建造物を公民連携で活用する方針を示しており、清閑亭も事業者への貸付を目指す。相模湾を一望できるロケーションや別邸文化の魅力を発信してきた状況を踏まえ、「食」をテーマとした施設活用を模索していく。
市文化政策課の担当者は「清閑亭は社会教育施設と合わせ、飲食店舗の用途もある。明治以降の文化を伝える施設を検討したい」と話す。
サウンディング実施
現在市が実施しているのが、事業者の意見や提案を直接対話で収集する「サウンディング型市場調査」。構想段階の事業を具体的に進展させるのに加え、事業者の参入意欲向上が期待できるとして自治体などが近年採用している手法だ。市は旧支所の利活用検討でも同調査を利用している。
担当者は「飲食提供や歴史的な食文化の発信など、さまざまな可能性を協議しながら国史跡としての課題を解決していきたい」と話す。市は3月1日(月)まで申し込みを受け付け、事業者からのヒアリングや施設見学を実施。3月中に提案募集を開始し、7月頃の事業採択を経て22年10月に新たな利活用開始を目指す。
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