小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2022.01.29
独自に考案した植栽方法を用いて、全国で造園を手掛けてきた
唐木 多喜秀さん
小田原市小八幡在住 73歳
植物に魅せられて
○…植える草木の組み合わせで、根の張り方や光の量などを調整して雑草の侵入を防ぎ、人の手による管理を最小限に抑えられる植栽方法を考案。「複層ボーダー植栽」と名付け、30年以上独自のやり方を貫いてきた。専門誌にも紹介されるなど注目を浴びた。「手間も費用もかからないけど、見た目が地味でなかなか理解してもらえなくてね」。協会を立ち上げるなどして技術を伝えてきた。近年になり大型商業施設などで同様の植栽方法が取り入れられるようになったという。
○…長野県伊那谷生まれ。家族でよく野山に採集に出かけていた。「子どもの頃に道端の植物をつまんでは歩いていたのが原点だね」。兄弟が医学の道に進む中、日本大学で緑地工学を学んだ。
○…建築事務所に勤務し現場監督を務めていたときに造園業の課題を感じたという。「灌木を植えたきりでは雑草が簡単に侵入して、管理に手間や費用がかかる」。いかに楽に美しい庭を保つか、ヒントになったのは人の手入れがなくても毎年多様な花が咲く高山の花畑だった。「この条件は何なのか」。仕事の合間に研究を重ね、高さや開花の時期が異なる複数の植物を混植させる手法を編み出した。1989年に(株)アメニティプランを創業し造園土木業を始め、全国の公共施設やレジャー施設などで先行的に取り入れて回った。
○…現在は小八幡の自宅に事務所を構え、主にボランティアで地域の造園を手掛けている。これまでに調べた植物は1000種類以上。植物同士をうまく競争・共存させるため、ベニバナイチゴや這性サルスベリをよく使うという。「好きじゃなきゃとても続けていられないよ」。長年積み上げてきたものを次代につなげるため、出版の準備も進めている。
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