あしがら写中 Vol.31
地域活性化について▽あす4日に開成町金井島の瀬戸酒造店で再生の蔵開きがある。自家醸造断念から38年、酒造りの文化が息を吹き返す。国が地方に落とす補助金はその多くがなかなか地元に還元されない。官民連携を標榜しても官主導で事業が進めば継続性に黄色信号がともる。地方創生においては「産官学金労言」の連携が唱えられているがこんなに面倒なことはない▽瀬戸酒造店は瀬戸屋敷の指定管理者を担う東京都渋谷区の建設コンサルタント会社が100%子会社化し各分野のプロの英知を結集して進めている。町にとっては願ってもない大型投資の展開だろう。社長を務めるコンサルの40代の幹部は「11年後に借金返済、14年後に独立をめざす。最後まで見届ける。手放したくない。独立したい」と公言してはばからない▽装い新たな蔵の前には高さ10メートルほどのコンクリート製の煙突がある。昭和の遺構という。それをあえて残し代表銘柄「酒田錦」の自家醸造を復活させるとくれば期待せずにはいられない。