あしがら写中 Vol.38
大野山の高価値化について▽山北町が誇る地域資源の一つに大野山がある。標高723メートルの山頂からは富士山や西丹沢の山々、丹沢湖、足柄平野などが望め、近年は山北駅や谷峨駅から山頂をめざすハイカーやフルマラソンへの体力向上にピッタリの峠走のコースとしても人気が高まっている▽山頂付近には食用・乳用の牧場があり、それぞれの経営者が山を生かした営農に取り組んでいる。山に移住して新規就農で山地酪農を始めた「薫る野牧場」は、山の保全も兼ねた放牧スタイルの営農で今後さらに注目を集めるだろう▽大野山には人をひき寄せる、人の魅力があるのも特長だ。92世帯の共和地区には「丹沢最後のマタギ」と呼ばれる80代の現役猟師に混じり20〜30代の若者が移住し林業や農業で生計を立てて暮らしている。秋にはその若者に赤ちゃんも誕生する▽こうした状況を盛り立てない手はない。そろそろ国や県、町の出番ではないか。