あしがら写中 Vol.43
詐欺被害について▽今月初め、横浜銀行新松田支店の支店長ほか2人が、振り込め詐欺の被害を未然に防いだとして松田警察署長から表彰を受けた。息子を名乗る男から「久しぶりに帰るから昼ごはん作って」と電話が入り、その1時間後に「投資で失敗した」と金を無心してきた▽70代の女性はその話に騙され銀行の窓口へ行き現金380万円を引き出そうとしたが、不審に思った職員が警察に連絡をして事なきを得た▽松田署管内では今年も前年とほぼ同様の12件の詐欺の被害が報告されている(7月末現在)。子を思う親心を巧みに操る手口が多く、対策や捜査にあたる松田警察署の幹部からは「命がけで戦っている」という言葉がこぼれるほど。想像しがたいが、実際に被害に遭った人たちの悲しさや脱力感を想像すると「被害ゼロ」を願わずにはいられない▽年配の方の暮らしを支えるお金の多くには、それまでの人生で流してきた汗が何層にも染みているはずだ。そのお金がもはや1人では守れない社会となってしまっている。本人はもとより家族や親せき、地域、市役所や町役場などが一丸となって防犯に取り組む必要がある。