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足柄 社会

公開日:2020.03.14

NHK大河ドラマ 制作統括落合将さん(小田原市出身)インタビュー
『麒麟』が求められる時代

  • 『麒麟』が求められる時代 (写真1)

  • 『麒麟』が求められる時代 (写真2)

  • 『麒麟』が求められる時代 (写真3)

 今年1月から放送されているNHK大河ドラマ『麒麟がくる』。制作統括を務める落合将(まさる)さん(51)は、小田原市出身で小田原高校の卒業生でもある。落合さんに、ドラマ制作に対する思いを聞いた。

 ――まず、制作統括の役割を教えてください

 「ドラマの脚本選びからキャスティング、演出、制作スタッフの人材統括に至るまですべてに責任を持ちます。大河ドラマの制作は、およそ3年かけて取り組みます」

 ――なぜ、明智光秀を主人公にしようと思ったのですか

 「光秀が生きた時代は室町幕府が崩壊し、世の中の秩序が大きく移り変わっていく時代です。そのような時代の変化を描きたかった。そこで、『誰が一番ふさわしいか。裏街道を歩んできた光秀が良いのでは』と、脚本家の池端俊策さんの提案を受け、光秀を主役にしました。光秀は40歳くらいまで生い立ちが何も分からない人なので、創作の幅を広げられるというのもあり面白いですね」

 ――大きくシステムが変わる、現代にも重なりますね

 「そうですね、今の時代もまた昭和のシステムが崩壊し、ライフスタイルも大きく変わってきている。例えばコミュニケーションのあり方もインターネットの存在で変わり、経済的格差も広がっています」

 ――織田信長や徳川家康をはじめ、戦国のオールスターが出てくるのは、大河ドラマの醍醐味でもありますね

 「光秀も秀吉も家康も、基本的に信長軍団。光秀は秀吉に比べて目立たないのですが、秀吉よりも信長の右腕ですよね。実際は、ドラマで描かれているような有力な武将たちにコネクションを持っている人かと言えばフィクションだと思いますが、池端さんはシステムが変わる時代を描きたかった。それが伝わればうれしいです」

 ――鮮やかな衣装と世界観に驚かされました

 「今回はハイビジョンよりもさらに鮮明な4Kということと、戦国は実際にカラフルな世界観だったということも踏まえて、チーフ演出の大原拓が提案しました。また建物の中は暗く、くすんだ色の世界ですので、水色の衣装だと光秀、黄色だと信長などと、瞬時に人物が分かるのも良いですね」

 ――一番の見どころは

 「やっぱり、キャラクターの個性が際立っているところですね。信長軍団のオールスター同士のやり合いも、楽しんでいただけたらと思います」

人との出会いが一つの作品に

 ――ところで、落合さんがドラマ制作の世界に入ったきっかけは

 「テレビドラマやアニメ、映画、漫画をたくさん観て育ちました。具体的に言うと、『北の国から』『ふぞろいの林檎たち』、アニメだと宮崎駿さんのジブリ作品や『銀河鉄道999』、映画だと『スターウォーズ』など。再放送を観るため学校から走って帰っていましたね。ビデオもないので見逃すわけにはいかない。当時のレベルが高い作品の洪水のなかで生きてきたから、子どもの頃からつくり手として参加してみたいと思っていました。中学高校の頃は親に隠れて夜中まで漫画やシナリオを書いていましたね。『オールナイトニッポン』を聴きながら」 

 ――仕事のやりがい、楽しさとは

 「いろいろな人と会えるということですね。例えば『麒麟がくる』でいうと、オープニングタイトルバックを制作された多田琢さんとの出会い。ほかにも、制作会社のプロデューサーさんと仲が良くなったり、人とのつながりが楽しいですね」

 ――「出会い」の集結が、作品となるのですね。今の時代は、そうした人間関係が希薄になっていると言われますが

 「僕には10歳の娘がいますが、僕の子どもの頃とは環境が大きく違うと思います。僕の頃は人との直接的な接触がベースにあり、家庭や友達との肌の触れ合いに満たされていましたが、今はインターネットやスマートフォンの普及により、肌の触れ合いが失われてきています。個別化・孤立化が進み、さらには経済格差が広がる不安な時代だからこそ、希望の象徴である『麒麟』が、みなさんの心に響くとうれしいです」

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