7月1日付で小田原市消防本部の消防長に就任した 黒栁 幹雄さん 小田原市栢山在住 58歳
「積小為大」で生命守る
○…県西2市5町を有し、県内で最も管轄面積が広い小田原市消防。その舵取り役である消防長を任された。前任は足柄消防署長で、足柄平野を見渡せる西平畑公園が好きな場所の一つという。「地域の安全・安心を守ることが我々の使命。組織一丸となって取り組んでいく」と、襟を正す。
○…二宮尊徳生誕の地、小田原市栢山で生まれ育った。「中学校の校歌にも尊徳の教えが入っている」と報徳仕法の4つをそらんじるほど身近な存在で、座右の銘も尊徳の言葉『積小為大』。中高時代はバスケ部で汗を流し、大学では部活動で日本各地の農村に赴き、地域の文化や風習を調べた。「その土地の公民館で寝泊まりし、2週間近くかけて調査して。地域にだんだんと受け入れてもらい、食事をごちそうになったことも」と懐かしむ。
○…卒業後は消防の道へ。現場だけでなく、予防や防災業務、アメリカ視察など幅広く携わってきた。20代のときに幼年消防クラブ10周年記念行事を担当。そのときに企画した子どもたちによる消防車の絵画展示は、今でも続いている。「学んだ先には人との出会いが必ずあり、自分を成長させてくれた。それが積み重なり、今日につながっている」と頬を緩ます。
○…「消防は人があってこそ」といい、「新型コロナや災害など、予期せぬことが次から次へと起こる時代。適切な対応ができる人材の育成が必要」と表情を引き締める。また地域防災の一翼を担う消防団には「地元を守るために活動いただきありがたい」と感謝する。「常備消防と消防団が両輪となり、ゆるぎなく持続的に地域を守りたい」。妻との愛犬の散歩やまち歩きが息抜きの時間。知らない土地での新たな出会いや、交流のひとときを楽しんでいる。
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