開成町米栽培体験塾の塾長を務める
鳥海均（ひとし）さん
開成町中之名在住　77歳

農業の楽しさ伝えたい

　○…子どもたちに農業や食の大切さを教え、開成町の特産物である米のおいしさを知ってもらうため、田植えや稲刈りなどを行う米栽培体験塾。２００５年に開始し、毎年町内外の親子１００〜１５０人ほどが参加する。ここ数年は、特に町内からの参加者が増えている。「開成町の３分の１は農地で主な作物は米。参加者の中から、将来農業に携わる人が出てきてくれればうれしいですね」

　○…体験開始当初から塾には携わり、会長には４年前に就任した。自身は米、野菜などを栽培する。「開成町は兼業農家がほとんど。農地が点在しているので、大規模に集約するのが難しい。兼業でもやっていけるシステムを考えていかねばなりません」。十数年前からは、個人でも開成小学校の５年生を招き、自身の田んぼで農業体験会を行う。「子どもたちは毎回真剣に作業してくれます。毎回元気をもらっています」

　○…茨城県生まれ。平塚にある林野庁を経て、１９７８年に教員に転職した。足柄上地区の小学校に30年近く奉職し、最後は川村小学校の校長も務めた。また、開成町少年サッカークラブの創部、定年後は開成町教育長にも就いた。「夢を持って頑張る姿が好きです。子どもの可能性を少しでも伸ばしていってあげたいですね」と力強く話す。

　○…妻と２人暮らしで、２人の娘と４人の孫が近くに住み、「孫の顔を見るのが何より楽しみ」と目尻を下げる。趣味は20代から続けるゴルフ。50代からゴルフ日記を始め、振り返ると８５９回にもなった。「一昨年には、長年の夢であったホールインワンも達成できました」と、うれしそうに話す姿から、年齢を感じさせない力強さを感じた。