足柄 人物風土記
公開日:2025.08.16
開成町戦没者遺族会の会長を務める
遠藤 成雄(せいお)さん
開成町岡野在住 85歳
平和の大切さを次世代に
○…毎年8月15日に慰霊祭や平和のつどいを開く「開成町戦没者遺族会」。地元住民向けの講演会、劇、紙芝居、朗読劇などを通し、戦争の悲惨さや平和の大切さを訴える活動を行っている。かつては100人を超えていた会員も現在は半減。「ほとんどの人が戦争を知らない時代になりました。風化させないためにも、使命感を持って活動を」と力強く話す言葉が印象的。
○…遺族会には母を引継ぐ形で27年前に入会した。父親を戦争中、満州で亡くし、母親に女手一つで育てられた。「父と母の苦労に報いたい」という思いが自身の背中を押している。7年前に会長に就任し「戦争はみんなを不幸にするもの。過去の過ちから、平和の大切さを広く伝えていきたい」と、その思いは一層強くなった。
○…1955年、合併し開成町となった旧酒田村の農家に生まれた。「食べ物はあったが衛生面は劣悪で、満足な医療も受けられなかった」と振り返る。姉と妹を幼少期に亡くし、厳しい環境ながらも、周囲の協力と奨学金で当時の吉田島農林高に進学し、卒業後は国鉄に入社した。分割民営化を経験する中、運行管理業務、旅行センターなどを経験し、最後は駅長も務めた。鉄道OB会の開成支部の支部長も務め、「当時の仲間とも定期的に会っています」と顔をほころばす。
○…2人の子どもを育て、妻と長男夫婦と暮らしている。「4人の孫の成長を見られるのはとても幸せなこと。それぞれが信ずる道を進んでくれたら」と。現在は米を中心に農作業に勤しむ日々を送っている。小さいころから、農作業で体を鍛えられてきたと言い、「この歳になっても元気に動けるのは、きっとそうした土台があったからですね」
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