足柄 人物風土記
公開日:2025.08.30
町と協働して上大井駅舎の改修、利活用を進める上大井自治会の代表会長を務める
香川 誠さん
大井町上大井在住 63歳
ひょうたん駅を後世へ
○…1970年、駅員が日よけのために植えたひょうたんにちなんで、「ひょうたん駅」として親しまれている上大井駅。77年前に開設された駅舎は、国、村、住民が協力して土地、資金、資材を出し合い建設されたものだ。2022年、老朽化が進んだ駅舎を管理するJR東海から取り壊しの提案があった。これに対し、上大井自治会が中心となり、町の財産として残すため、耐震化を含めた改修と活用プロジェクトの作成を町と協働で進めている。「何とかして残していきたい」
○…町内の山田地区で生まれ育ち、30年ほど前に上大井地区に転居した。学生時代はソフトテニスに熱中したが、同じ位に機械いじりが好きだった。大学の放送研究会では、当時の最新オーディオ機器を使いこなし、裏方として会を支えた思い出も。現在は車やバイクが趣味で「構造について、どうなっているかを考えている時が楽しいですね」とにっこり。
○…妻と子ども2人の4人家族。今年度から上大井自治会の代表会長を務める。定年まではJAかながわ西湘に勤務し、農業分野から、町の発展を見守ってきた。「大井町は都市型農業で兼業農家がほとんど」。直面する収入面の厳しさに触れつつ、「豊かな自然環境の保護など、農家が町に果たしてきた功績は大きい」と力強い。
○…上大井自治会では5月に町に駅舎の存続を求める要望書を提出した。自治会が参加を呼び掛け、町と協働で6月に意見交換会、8月にワークショップを行った。駅舎の改修は町が主体。来年度中に、町が住民の意見を取り入れて計画をまとめ、27年度中に改修・供用の開始を目指す。「皆さん愛着のある駅です。この機会にさらに親しまれる駅にしていきたいですね」
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