秦野 人物風土記
公開日:2015.05.23
「水無川に市の花ナデシコを広める会」の会長を務める
加藤 誠一さん
西田原在住 78歳
何でもやる課で突き進む
○…1972年に秦野市の花に制定されたナデシコ。より多くの方に知ってもらいたいと、2014年に仲間とともに会を発足させた。「いつかは一軒一株」と力がこもる。市が市制施行60周年記念事業として行った苗の配布も、町中に広がるだけでなく、花を通して行政と市民との繋がりが強まることを望んでいる。2020年東京五輪の時には、「なでしこジャパンに捧げたい」と笑った。
○…発足前から自宅で増やそうと、種を買ってきて育てていた。その頃から近所の幼稚園などにプレゼントしている。庭先には見頃を迎える色鮮やかなナデシコ。風に揺れる様子を眺め、「子どもの頃は水無川の土手にたくさん自生していた」と懐かしむ。昔は水無川付近に松林があり、その辺りでは農家の馬を使って競馬が行われていたという。その時に足元に咲いていたナデシコの花が、今でも記憶の中に残っている。
○…中井町で奉公していた18歳の時、49歳の若さで父親が他界。幼い弟たちを持つ長男として、「できることをする」が身に付いていった。その後小田急電鉄に入社し、線路工事の仕事に携わる。今では鉄道が趣味の一つとなり、テレビで電車の旅番組を見るのが楽しみとなっている。線路のことから車両のことまで、知識は溢れんばかりだ。孫が小学生の頃、毎年夏休みになると孫が好きだった城を巡る2人旅に出たことは特に思い出深い。結婚50周年の来年には、新婚旅行で訪れた伊東市へもう一度。「日本の隅々まで旅をしたい」と目を輝かした。
○…頼まれたら手を差しのべ自分ができることと真摯に向き合う性格のため、畑仕事の手伝いや通学路のパトロールなど、これまで色々な事に取り組んできた。ナデシコを広める活動も「誰かがしなくては」という想いから。人との出会いも原動力になっている。「何でもやる課だ」とわはは。まだまだやる事、やりたい事は尽きそうにない。
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