第65回全国小・中学校作文コンクール(主催/読売新聞社)の都道府県審査が行われ、秦野市の三田果和(かのん)さん(本町小1年)が小学校低学年の部で最優秀賞を受賞した。11月3日に横浜市で催された表彰式には家族で出席。三田さんの作品は神奈川県代表として、全国の最優秀賞作品が出品される中央審査に進む。
同コンクールは国内外の日本人小・中学生が対象で、テーマは自由。小学校低学年の部は神奈川県で139編の応募があり、三田さんは最優秀賞に輝いた。
受賞作の題名は「わたしの幸せな時間」。毎日夕方、母親と姉と過ごす、ある時間を題材にした。
姉(13)は県立平塚中等教育学校に、電車とバスを乗り継ぎ通っている。母親と秦野駅まで迎えに行くのが日課だ。駅までの母親と2人っきりの会話、そして姉と3人でわいわい楽しく歩く帰り道。この時間が、三田さんにとって「幸せな時間」なのだ。
散歩の途中で「ラッキーにじバス」を見つけた時は一段と嬉しい日。このバスは三田さんが0歳の時に他界した祖父が、運転手を務めていた企業の送迎バスだ。祖父の記憶は無いが、姉から「いつも願いを叶えてくれる」と教わった。「だからラッキーにじバスを見れば、おじいちゃんがお姉ちゃんを元気にしてくれる」。毎日頑張っている姉に元気をあげたいという思いを、原稿用紙に書き上げた。
母親は「内気な性格なので、心に抱えていることを文で伝えているのでは」と我が子を見つめる。普段から文章を書くのが好きな三田さんは、時々手紙も書いてくれるという。
三田さんの作品は審査委員から「1年生とは思えない文章力で、読み手の心を動かした」と高く評価された。受賞を受けて三田さんは、恥ずかしそうに「嬉しかった」と笑顔を見せた。
本町小学校は11月9日、昼のテレビ放送で全校生徒へ受賞を報告。同級生たちは「おめでとう!」と歓声をあげ一緒に喜んだという。
都道府県審査で最優秀賞を受賞した作品は、中央審査に進む。中央審査の発表は12月上旬の予定で、結果は読売新聞の紙面に掲載される。
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