秦野 文化
公開日:2017.01.05
甦る昭和の「上宿商店街」
地元の男性が地図を作成
「紙芝居」や「鍛冶屋」など今では珍しい店舗が並ぶ地図。秦野市栄町在住の70代の男性が、昭和初期から中期頃にあった約130軒の店舗や施設を記した「秦野上宿商店街図」を作成した。四つ角交差点から大川橋(現秦野橋)に繋がる上宿通り付近。
作成のきっかけは、1992年に当時の本町上宿長寿会の会員らが作ったという、大正14、15年頃の地図。明治・大正生まれの会員らが幼い頃の記憶を辿りガリ版で作った手書きのもので、町内で配られたという。
昨年の夏頃から、同地区の住民たちに聞いてまわったり、町内の80代の人たちに確認してもらうなど作業を進めた。正式な歴史的資料はほとんど無く、人の記憶もあいまいなため聞き取り調査は簡単ではなかったが、12月、ついにイラスト入りのカラフルな地図を仕上げた。出来た地図はA4サイズで500部刷り、1軒ずつ町内に配ったという。
地図に記載された店舗のうち、現在も残っているのはわずか15軒ほど。男性は「名前の変化や軒数が減った背景なども調べてみたい。歴史の移り変わりを感じることができて面白い」と話した。
しかし、この地図は完成形ではないという。寄せられた情報を基に、今後も検証しながら書き換えていく予定だ。「この地図を見ながら、『ここにお店あった?』『名前が違うのでは?』と、わいわい話してもらえたら。町を知るきっかけになれば嬉しい」と話した。
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