秦野市堀西の浄土宗「桂林寺」(竹石光仁住職)で1月18日、大数珠を数人で回しながら南無阿弥陀仏と唱える「百万遍念仏」が行われた。同寺の周辺地域で近年まで続いていたが、途絶えてしまった信仰行事を再興しようという試みだ。
百万遍念仏は、極楽往生や故人の供養などを祈祷する目的で、念仏を百万回唱えること。
秦野周辺では、江戸時代に念仏を唱えて日本各地を回り多くの信仰を集めた「徳本(とくほん)行者」によって広められ、桂林寺を中心に念仏講が盛んに行われたという。
同寺に伝わる百万遍念仏で使う金属製のかね「双板」には、江戸後期の文政5年(1822年)と彫られている。
同寺周辺の「黒木・欠畑(がけばた)地区」では、大数珠を各家で持ち回りながら百万遍念仏が10年ほど前まで続けられていた。時代の流れとともについに途絶え、大数珠は地区会館に保管されたままになっていた。
5年ほど前、それを見た黒木地区の百瀬正子さん(70)が「このままでは良くない」と竹石住職に相談し、寺で預かっていたという。
大数珠が納められていた木箱には、「相州大住郡堀黒木大日堂什物」「安政四巳八月三日」と刻まれた鉦や、「明治廿三年」という文字や参加者の氏名が書かれた紙束なども入っていた。
今年同寺の浄土宗改宗450年と、徳本行者の200回忌を迎え、改めて百万遍念仏を実施することになった。
この日、本堂に集まったのは檀家ら13人。竹石住職が南無阿弥陀仏と108回唱える間の約5分間、時計と反対周りに数珠を回していった。百瀬さんも参加して「数珠も喜んでいるようだった」と笑顔で話した。
竹石住職は「移り変わりの早い現代だからこそ、200年にわたり続いてきた地域の信仰に光をあて、心の拠り所のひとつになれば。今後、再び浸透していくか楽しみです」と話した。
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