重度の知的障害がある人の言葉にならないメッセージを、アート作品を通じて広く知ってもらおうと、市内でデイサービスやグループホームを運営する(株)秦野インクルージョン(沼田謙治代表取締役)が、利用者のアート作品展を初めて開催する。
「秦野インクルージョン展」の副題は”もう一つの言語”。日頃は会話ができないような重い知的障害のある人が創作した作品から、作者の心境や考えていることを感じられるのが展示の魅力。キュートでカラフルなチューリップの水彩画、毎日1つ小さな顔を描き溜めたペン画、「ありません。パン。」等ユニークなフレーズを墨で書いた書作品など、バラエティーに溢れている。
展示は6月23日(土)から27日(水)まで、ぎゃらりーぜん(秦野市立野台1の2の5十全堂ビル2階)で開かれる。水彩画やペン画、色鉛筆、書、立体作品も展示する。時間は午前11時から午後5時まで(27日のみ4時まで)。
(株)秦野インクルージョンが設立されたのは2013年。重度の知的障害があると、児童施設から成人施設へ移り先が見つからないと悩む人が多かったことから、児童施設の職員が法人を新設した。現在は緑町と平沢に事業所を構えている。
デイサービス事業所の責任者、早川聖(たかし)さん(39)=人物風土記で紹介=らは、アートディレクターの中津川浩章さんのアドバイスを受けながら、1年前から利用者の創作活動を始めた。当初は共通モチーフを設定して取り組んだが、「一人ひとりが自然に没頭できることをしてもらおう」と方針転換。一人の利用者がいつもスーパーマーケットのロゴを描いているのを見て、支援員が「いつも紙の大きさに合わせて画面いっぱいに描いているのでは」と気づき、様々なサイズの紙を渡してみると、数cm四方から大きなものまで描かれたロゴの連作が完成した。また、紙を剥がすのが好きな人が丁寧に剥き上げたティッシュペーパーの箱は、存在感あふれるアート作品となった。
「自分の世界に入っていると皆さん幸せそうなんです」と早川さんは微笑む。同じ人でも画材を変えると作品の雰囲気がガラリと変わることがあり、中には文字が書けないにも関わらず、絵筆を握ると自分の名前を書く人もいるという。
早川さんは「”知らない”のは怖いこと。だからこそ、展示を通して、障害がある人も普通に生活していることを知ってもらえたら」と話す。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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