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秦野 社会

公開日:2019.02.15

ひきこもり・ニートと向き合う
増加する若年無業者、家族の支援

  • 我が子の状態を考えるための目安。1番下、または下から2番目の場合は、まず生活力のアップが求められるという

 秦野市保健福祉センターで1月30日、ニートやひきこもり状態の若者(若年無業者)の就職を考える県主催のセミナーが開かれ、家族や当事者、支援者など29人が参加した。こうした若者は現在、15〜39歳の16人に1人と言われており、家族が隠している場合もあるため、正確な数値は不明だが「秦野市内に数千人いる可能性もある」と市担当者はいう。

 若年無業者は年々増加傾向にある。家庭内暴力を伴うものや、自分の部屋にこもる「籠城型」は減少傾向にあるが、自室から出て家族とは話す「社会的ひきこもり」の割合が増えているという。

 将来的に生活保護受給者になる可能性を事前に防ぐため、国や自治体で対策が進められており、神奈川県では2002年からひきこもり対策支援を開始。厚労省認定の神奈川県西部地域若者サポートステーション(小田原市)が開設され、家族や当事者の相談に乗りながら、社会人としてのマナーを学ぶと同時に、仕事体験などを通じて若者の働く力を伸ばしてきた。利用は無料。就職率は同様の取り組みを行うサポートステーションの全国平均を上回り、70%に達する。

 ただ、社会生活能力がない場合はサポステでの活動に参加できない。サポステを運営するNPO法人子どもと生活文化協会(CLCA)ではボイストレーニングや農業ボランティアなどを通じ生活力アップを図っている。

 今回のセミナーでは、CLCA顧問の和田重宏氏が、これまでの経験を基に我が子とのかかわり方について解説。「親が過剰に期待しない」「『いつになったら働くんだ』などと言うのを我慢し、信頼関係の構築に努める」などと説明した。

 セミナー後には個別相談を実施。息子がひきこもっているという女性は「自分では客観的に息子がどんな段階なのか判断できず悩んでいた。和田先生から具体的な解決策を教わり、楽しくお話できた。明日へ感じている闇が少し解消された気がする」と笑顔を浮かべた。

相談会は月2回

 毎月第2・4水曜日に秦野市保健福祉センター2階第1会議室で相談会実施中。午前9時から午後4時。専門相談員が相談に応じる。面接相談は予約制で【電話】0465・35・8420へ連絡を。相談会実施日には電話相談(【携帯電話】090・1206・4499)も可能。

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