秦野 文化
公開日:2023.09.29
オーケストラ、まちに響け
市民がつくる”はだの響”
「秦野をオーケストラの響く心豊かな市(まち)に」という想いから、アマチュアの市民によって1978年に結成された「秦野市民交響楽団」(通称・はだの響)。クアーズテック秦野カルチャーホールで10月1日(日)に開催される第82回定期演奏会を前に、その歴史や想いを振り返る。
はだの響の第1回定期演奏会は1980年11月24日、秦野市文化会館(現クアーズテック秦野カルチャーホール)のこけら落としの公演として開催された。定期演奏会は年2回、これまでに80回を超える開催を重ね、オーケストラを市内に根付かせている。
楽団結成のきっかけは、音楽愛好家が渋沢の居酒屋で熱く語り合ったことから始まったという。音楽大学の卒業生や元吹奏楽部員らが社会人になっても演奏できる機会が生まれ、オーケストラを鑑賞する土壌も育つ。当時、北公民館でオーケストラ講座が開かれ、そこに集まったメンバー約20人で発足した。
現在、団員の人数は43人で、中学3年生から70代の団員が所属している。音楽大学を卒業した人や音楽に触れてきた人が「社会人になっても演奏をしたい」と入団することが多いが、高橋滋樹団長は「演奏レベルが他の団員と同等であれば、年齢関係なく入団できます」と話す。
注目されるように
高橋団長によると、はだの響を継承していくために重要なのは、団員を増やすこと。そのため、あえてハードルの高い曲を交えたプログラムを組み、"人目を惹く"ように心掛けているという。見慣れない楽譜に戸惑う団員も少なくないが、苦難を乗り越えた先にいる観客からの反響は大きく、それがやりがいにつながっている。
昨年の第80回定期演奏会で披露した「クラリネット協奏曲第2番」(オスカル・ナヴァッロ)と「交響曲第3番(初稿)」(ブルックナー)は、「日本のアマチュアオーケストラで演奏されたのはおそらく初めて」と高橋団長は話す。この時の演奏曲は、同演奏会に指揮者として招かれていた、世界で活躍する新通英洋氏からの提案を受けたもの。曲の珍しさからSNSで話題となり、当日は遠方から訪れた愛好家もいた。
魔法がかかる演奏
本番で、団員や指揮者、観客が一体となるような感覚があるとき、「良い演奏ができた、と手ごたえを感じる」と高橋団長。「指揮者の先生が、まるで魔法をかけてくれているような感覚です」と語る。
そういった演奏会が常に出来るよう、毎週日曜日に市内の公民館で練習を行っている。トレーナーや指揮者に指導を受けながら、ミスを減らしてアンサンブルが美しく響くよう心掛けるなど、クオリティの向上を追い求めている。
第82回定期演奏会
クアーズテック秦野カルチャーホール大ホールで10月1日に開催。開演は午後2時から(開場1時15分)。
当日は、高橋達馬氏の指揮のもと、「歌劇『どろぼうかささぎ』序曲」(ロッシーニ)、「交響曲第88番『Ⅴ字』」(ハイドン)、「交響曲第2番」(ラフマニノフ)を演奏する。チケットは一般1000円、高校生以下500円(3歳以下は入場不可)。障害のある人と、その付添い者1人は入場無料。チケット前売りは同ホール窓口または二次元コードからオンライン購入「teket」で。問い合わせは馬城さん【携帯電話】090・2768・1150へ。
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