会見する高橋氏
任期満了に伴い来年１月に実施される秦野市長選挙に、元市職員の高橋昌和氏（60）が出馬の意思を明らかにし、６月26日市役所で記者会見した。
高橋氏は法政大学卒業後１９７９年秦野市役所に入り、環境産業部長、財務部長、福祉部長などを務め今年３月定年退職。「３期12年続く古谷市政に一定の評価をするものの、市民合意に向けた手法や行政運営の優先順位の付け方などに（自身と）考え方の違いがある。人事についても偏りが感じられる」とし、長期政権に対する弊害を指摘。「新しい風を吹かせたい」と出馬の理由を話した。
取り組む政策としては秦野赤十字病院の分娩業務再開に向けた働きかけを強調。その他、超高齢化社会への対応や新東名高速道路と２４６バイパスの開通を見据えたまちづくりを掲げた。同氏へは秦野市選出の久保寺邦夫県議のほか、諸星光氏、村上茂氏、高橋照雄氏、川口薫氏、小菅基司氏、今井実氏、相原學氏、谷和雄氏、加藤剛氏ら保守系市議９人が出馬を要請していた。
一方現職の古谷義幸市長（69）は「いい市民、いい職員に恵まれて市長という職務に全力で取り組んできた。秦野駅南口の土地区画整理事業や大根川ポンプ場の整備、鶴巻温泉駅南口の整備など着実にまちづくりを進めてきた」と振り返ったものの、自身の出処進退に関しては「市長の職務に全力で取り組んでいるところ。まだ今後のことは全く考えていない」と明言を避けた。
前回の市長選に出馬した高橋徹夫氏（69）は今回の市長選について「９月頃までには決めたい」と再挑戦を否定しない。若返りを求める市民の受け皿として期待される神倉寛明県議は「待望論が高まればその声に応えたいという気持ちもあるが、自分はまだ若く、さらに勉強の必要があると感じている。１期目の県議会議員の職を全うしたい」と否定的。一部に噂のあった川口薫市議（60）は、高橋氏の支援に回った。
秦野市では近年柏木幹雄氏（１９８２年〜１９９４年）、二宮忠夫氏（１９９４年〜２００６年）と市職員出身者が市長職に就いており、２００６年に民間感覚による行政運営の強みを訴え古谷市長が誕生した。
市民の間からは「秦野市のリーダーを決める４年に一度の機会。活発な政策論争を行い、秦野市の発展につなげて欲しい」という声が挙がっている。
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