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公開日:2016.01.14

保育士不足 深刻さ続く
市、独自策で対応

 横浜市は先月、昨年10月1日時点の保育所などの利用児童数が5万6865人と過去最多を更新したことを明らかにした。今年4月に向けて新たに認可保育所などを整備する方針だが、一方で現場の保育士確保で困難な状況が続いており、課題となっている。

◇  ◇  ◇

 増え続ける保育所入所申し込み者に対応するため、横浜市は待機児童対策を重点施策に掲げ、2013年4月時点の待機児童数ゼロを達成した。だが、保育所の利用希望者はその後も増え、昨年10月時点の待機児童数は292人。利用児童数も5万6865人と過去最多となった。

 市では今年春に向けて「認可保育所16カ所のほか、幼保育連携型認定こども園3カ所などを整備する」とし、利用者ニーズに対応していく考えだ。

1600人が必要

 保育所整備の一方で、もう一つ全国的に問題となっているのが保育士不足。横浜市も例外ではなく人材確保が困難な状況だ。

 市は「数年前から人材確保で厳しい状況が続いている。さらに17年までに新たに1600人の保育士が必要になると推計している」とも。昨年9月の保育士の県内有効求人倍率は2・85で全国平均1・85を上回っている。「特に首都圏の倍率が高く、来年度以降もさらに採用が困難になることが想定される」としている。

 保育士不足の原因の一つが賃金の問題だ。国の調査結果では全職種の平均月収32万円に対し、保育士は21万円と10万円以上の開きがある。そのため保育士資格を持つ求職者の約半数が「賃金が希望と合わない」などの理由で保育士の就業を希望していない現状だ。

 こうした状況を受け、市では保育士資格を持ちながら保育士職に就いていない潜在保育士の復職支援に力を入れている。県などと共同運営する「かながわ保育士・保育所支援センター」(神奈川区)では昨年度、97人を市内保育所などにコーディネート。ハローワークと共催で面接会を開くなど人材確保への直接的な動きもみられ、13年に96人、14年に121人を採用するなど一定の成果をあげている。

 現場での負担軽減策として、保育士1人あたりの子どもの人数を国の基準より少なくする市独自の取り組みを実施しており、13年度からは地方の人材確保を目的に家賃の一部を補助している。市担当者は「今後も面接会などの事業を継続して行い、着実な確保につなげたい」と話す。

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