2004年から磯子図書館で本の修理のボランティアを行っているグループ「本の修理いそご」(小野田真代表)。このほど、長年図書館の事業を支援してきた団体として、日本図書館協会から感謝状が贈られた。他区の図書館や地域の学校図書館でも本の修理の指導を行い、活動の普及に尽力した姿が評価された結果だ。
市内の市民団体で唯一
感謝状の贈呈は、日本図書館協会が開催する「全国図書館大会」の100回記念として企画。全国各地で図書館活動の応援・支援を継続的に行っている個人・団体を募り、地域で読み聞かせに取り組む団体や、東日本大震災で被災した図書館に代わって移動図書館に取り組む団体など、103団体が選ばれた。うち、県内からは5団体、市内の市民団体としては「本の修理いそご」が唯一選ばれた。
仲間と技術学び合う
「本の修理いそご」は、02年に区が開いた生涯学習講座で製本を学んだメンバーが翌年に結成した「手作り製本の会」が母体となっている。製本技術を学ぶため、図書館にある壊れた本や傷んでいる本を直しながら本の構造を学ぼうと、04年から磯子図書館で修理に携わる。
当時は指導者もおらず、素人が独学で修理方法を考えながら活動に取り組んでいた。代表の小野田さんは「『今日の先生は明日の生徒、明日の先生は今日の生徒』という考え方で、互いに得意なことを教え合いながら修理方法を考えた」と振り返る。
区内に限らず、市立中央図書館の修理ボランティア導入時には修理講座の講師を務め、市内のボランティア育成も担ってきた。
現在はメンバー22人で年間約800冊を修理する。大型絵本の修理など、市のイベントにも協力した。
磯子図書館職員の伊沢ユキエさんは「本を修理するだけでなく、市内のボランティア育成を担う点や、仲間同士で技術を学び合う姿勢など、他の地域にはないグループだと思う」と特徴を話している。
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