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港南区・栄区 人物風土記

公開日:2014.07.24

港南区工業会の新会長に就任した
稲村 直之さん
上永谷町在住 55歳

強い信念で会の発展を

 ○…工業の地位向上と地域社会の発展を目的とする港南区工業会。だが、工業が少ない港南区においては様々な異業種が集まり、地域経営者団体としての側面も強い。行政や地域への関わりも多く、活動も多様な同会の舵取りを5月から担うことになった。17年にわたって会長を務めた笠原節夫氏からの後継打診に「頷くしかなかった」と笑う。

 ○…会員数は100社を超えながらもまとまりがあり、雰囲気の良さには自信がある同会。その理由の1つが、ゴルフなど会員同士で趣味を楽しむコミュニティー部の存在だ。孤独でもある経営者だからこそ、同じ立場での仲間づくりは意義も大きく、会の活性化に役立っている。一方、若手会員の増強には常に取り組む。現会員の後継者を取り込みながら、「仕事も含めてメリットがきちんとある会にしたい」と意欲を見せる。

 ○…ドアや障子などの木造建具や店舗用什器の製造販売を行う(有)稲村建具の2代目。仕事をこなす親の背中を見て育ち、中学生で仕事を手伝い、当たり前のように家業を継いだ。既製品ではなく、オーダーメードで作り上げる木工のプロフェッショナル。自分で形あるものを作れるのが魅力だ。経営者として走り続けながら、横浜青年経営者会の会長を歴任。消防団歴も25年以上になる。多忙な日々に身体の不調も見て見ぬふりをしていたが、先日3週間にわたって入院した。そこで支えてくれたのは3代目となる息子。「今まで『自分がいなきゃダメ』って考えていたけど、勘違いだったね」と顔をほころばせる。

 ○…世代交代の意味を込めて笠原前会長から渡されたバトン。「身が引き締まる思い」と話しつつ、その意味をゆっくり考えたいと語る。「元々、自分は補助をする方で、会長には向いていない。今まで自然の流れで生きてきたから」と笑うが、「これからは『意志あれば道あり』の強い信念で頑張らなきゃね」。新しいリーダーシップに期待がかかる。

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