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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2012.01.27

野良猫や犬を保護し、里親と引き合われる活動を行う動物愛護団体「犬猫救済の輪」の代表
結 昭子さん
川崎区大島在住 56歳

動物も人間も同じ『命』



 ○…東日本大震災以降、東京電力福島第1原発事故で警戒区域に取り残された多くの動物たちに関心を寄せた。「動物も同じ命。軽視されることはあってはならない」。そんな思いで仲間とともに現地に入った。これまで野良化したペットや避難先で飼えず被災者から一時的に預かった犬や猫は、およそ300匹にも及ぶ。「まだまだ多くの動物が取り残されている。そんな状況を知ってほしい」。



 ○…被災地では仮設住宅での飼育が禁止されていたり、生活が安定するまでは飼うことができない飼い主も多い。「ぺットも家族。手放さなければいけなかった飼い主の気持ちを思うと心が痛む」。保護した犬や猫は検査や放射線洗浄などを行った後、里親として名乗りを上げてくれた人に引き渡される。「愛情と責任を持った方に里親になってもらいたい」と呼びかける。



 ○…35歳の時、夢見ヶ崎動物公園を訪れた際、多くの野良猫が餌も満足に得られない状況で生活をしていたのを目の当たりにした。「恵まれない環境で生まれ育ち餓死したり、人によって殺処分されてしまうような子を減らしたい」との思いから野良猫への不妊手術や保護する活動を始めた。「個人の活動には資金面など限界がある」と動物愛護団体「犬猫救済の輪」を設立。仲間や寄付金を募りながら活動を進めた。3年前には自宅近くに病院を完備した活動拠点TNR動物福祉病院を開設。自分達の病院を完備することで活動の幅を広げた。「目標は殺処分ゼロ。不幸な運命の子を少しでも救って行きたい」



 ○…「被災地も含め保護して行かなければいけない子たちはまだまだ多いが、一時的に保護できる場所が現状足りていない。その為シェルターを完備した新たな施設の開設は今後の重要な課題になる」と強調。これからも多くの野良猫などを新たな飼い主と引き合わせる考えだ。動物が幸せに暮らせる世の中を目指し、今後も活動を進める。

 

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