神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鎌倉版 公開:2014年10月31日 エリアトップへ

北鎌倉駅裏トンネル 安全対策へ「開削」も 市民団体は反発

社会

公開:2014年10月31日

  • X
  • LINE
  • hatena
北鎌倉駅そばのトンネル(左)と市が示した「開削案」のイメージ(右)
北鎌倉駅そばのトンネル(左)と市が示した「開削案」のイメージ(右)

 鎌倉市はJR北鎌倉駅ホームに隣接する岩塊に掘られたトンネルの安全対策として、岩そのものを切り崩す「開削」も含めて検討を進めている。同トンネルは近年、岩の剥落やひび割れが進んでおり、市では対策を急ぐ考え。一方、地域住民らで作る市民団体は、長年親しまれた景観であることに加え「重要な史跡」として、現状での保存を訴えている。

 このトンネルはJR北鎌倉駅のホームに隣接した岩塊に素掘りされたもの。詳しい資料などはないものの80年ほど前に掘られたと見られている。周辺の住民が生活道路として利用しているほか、大船高校や小坂小学校の通学路にもなっており、朝夕は多くの児童・生徒が行きかう。

 近年、岩の剥落やひび割れが目立つようになったため、昨年12月、市を事務局として地元の12町内会や学校関係者らが参加する「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」が発足。これまで5回にわたって、話し合いが行われてきた。

 市は当初、トンネルの一部の地権者であるJRとの協議に時間がかかることを想定し、まず仮設の補強工事を実施したうえで、本格的な安全対策を行う考えだった。7月8日に行われた協議会では「恒久対策」として、トンネル上部の山を切り崩し新たな斜面を作る「開削工法」と、現在よりも大きな断面の新たなトンネルを作る「トンネル工法」を初めて提案した。

 その後、市とJRが協議した結果、「対策が必要」との認識で一致。そこで8月28日の協議会で市は、仮設ではない恒久対策を早期に実施する考えを示し、特に「開削工法」について工事期間の短さや費用の面から「最も現実的で安全」と報告した。

 こうした動きに地元では反発も。昨年末に発足し、「トンネルがある岩塊は平安時代以降、鎌倉と外界を隔てる境界として機能してきた」として、景観や史跡保護の観点から保存を求めてきた「北鎌倉史跡研究会」(出口茂代表)は10月20日、山ノ内公会堂で集会を開催した。この席で出口代表は「ほとんどの地域住民が知らないまま、開削という結論ありきで対策が進められている。地域全体で考えるべき」と訴えた。

 同会では協議会に参加する各団体に保存を求める要望書を送付。今後は署名活動なども検討していくという。12月13日(土)には、山ノ内公会堂で集会を開催する予定だ(午後6時開始)。

 市は早ければ来年度中にも工事を行いたい考え。「現状のまま何の安全対策もしないということはありえない。住民の理解を得られるよう努力していく」として、自治会などを対象に説明会を開催するとしている。
 

鎌倉版のトップニュース最新6

松岡選手、プロ転向目指す

松岡選手、プロ転向目指す

テニス 世界ジュニアで8勝

4月19日

「メイ アイ ヘルプ ユー?」

「メイ アイ ヘルプ ユー?」

鎌倉駅で観光案内、滞留抑制

4月19日

官民連携で孤独、孤立対策

「つながり」創出へ仕掛け

官民連携で孤独、孤立対策

プラットフォーム創設

4月12日

深沢高、最後の入学式

深沢高、最後の入学式

3年後に藤沢清流と統合

4月12日

「ケアラー支援条例」施行

鎌倉市

「ケアラー支援条例」施行

学校の相談員増や啓発も

4月5日

「鳩スタ」台に移転へ

「鳩スタ」台に移転へ

教習所跡 12月開業見込む

4月5日

あっとほーむデスク

  • 4月22日0:00更新

  • 8月20日0:00更新

  • 7月16日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

鎌倉版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月21日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook