横浜美術大学3年生の小柳沙也華さん(20)が作成したロゴが6県にまたがる「太平洋岸自転車道」の統一マークに採用され、4月12日に国土交通省から選定証が贈呈された。小柳さんは「太平洋の魅力を見る人に印象付けたい」と話している。
太平洋岸自転車道は千葉県銚子市から和歌山県までの海側を結ぶ約1400Kmのサイクリングロード。これまで各道路管理者がそれぞれ整備を行ってきたことから統一感がなく、安全性が低いなどの課題があった。こうした経緯から国交省では昨年推進協議会を設立し、東京五輪の2020年までに再整備を行うことを検討。このほど統一ロゴマークが選定され、今年度中に自転車道などに設置していくという。
ロゴマークは自転車道が通る6県の大学から募集され、神奈川県は横浜美術大学が参加。学内コンペを経て、小柳さんの作品が提出された。
デザインは丸枠の中に自転車の絵と6つの波、「太平洋岸自転車道」の文字から構成されている。同推進協議会から「6県を表現した6つの波」「シンプルでわかりやすい」点などを評価され、今回統一ロゴマークとして選定された=写真。
「青海波」モチーフに
小柳さんは同大ビジュアルコミュニケーションデザインコースに通う3年生。こうした応募は初めてだったといい、採用されたことをメールで知った際には驚きを隠せなかったという。「自分が選ばれるとは思っていなかったけど、とても嬉しかった」と喜びを語る。
もともと無印良品やユニクロのロゴマークといったシンプルで洗練されたデザインが好きで、「挑戦しやすい」と応募を決意。締め切りまでの時間がない中だったが、集中して1週間ほどで仕上げたという。
小柳さんは「構想自体は早かった」と話す一方で、「波の線の太さや自転車のマークなど、見やすさなどを考慮して形にしていくときに苦労した」と制作を振り返る。
こだわりのポイントは太平洋岸自転車道が「スローツーリズム」として国内外の観光客から多く利用されていることを踏まえ、日本の伝統的な吉祥文様である「青海波(せいがいは)」をモチーフにした点だ。6県にまたがる海からの恩恵を6つの波に込め、温かみのある青色で穏やかで包み込むような大海原を描いた。「新潟県出身で、海は日本海の荒々しいイメージ。それに対して太平洋は穏やかだった。それを色で表現した」と説明する。「きれいな海である太平洋の魅力を、ロゴを通じて見た人に伝われば」
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