青葉区 人物風土記
公開日:2023.01.19
横浜市アマチュア無線非常通信協力会の青葉区支部長を務める
上野 晋一郎さん
美しが丘四丁目在住 56歳
顔見知りが防災に繋がる
○…災害時にアマチュア無線を使い、区内41の地域防災拠点から被害状況や救援など情報を伝達する「横浜市アマチュア無線非常通信協力会青葉区支部」の支部長として74人の会員を束ねる。「平時の人とのつながりが最大の防災になる」と地域活動に尽力する。
○…旭区出身。小学生から今でも継続するボーイスカウト。携帯電話もない時代、50Kmハイクで目印となるのは先を歩く集団に折られた木。夜に無線で交信し合ったことがアマチュア無線との出会いとなった。「電波の波長ってなんで届くんだろう」と夢中になり、12歳でアマチュア無線従事者免許を取得。機材を持っていた先輩の自宅に入り浸り交信する日々を送り、高校生で念願の無線局を開局した。
○…大学時代に、NHKの放送技術研究所に所属し、衛星通信やアンテナなどの調査研究をしていた。転機は1985年。日航ジャンボ機が墜落し、事故現場からフジテレビが独占で生中継した。上空のヘリを衛星代わりに映像を電波に変換し、本社に送信する画期的なシステムによるもので、「開発ではなく使う側の方が面白そうだな」と方向転換。通信事業の企業に就職し、これまで10回に及ぶ転勤で全国を飛び回りながら、災害対策やまちづくりに貢献。「地域の人たちと現場で活動を支える」をモットーに培った経験が地域防災に活きている。
○…16の地域団体に所属し休む暇も無い。「今は平川神社の活動が本業かな」と威勢よく笑う。昨年、自分たちで倒した20本の杉で神社の再建を計画している。「活動すべてが連鎖している。神社の祭りも地域の人と顔を合わせるきっかけになり防災に繋がる。誰かがやってくれるのではなくみんなで力を合わせて」と地域の輪を広げる。
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