青葉区 人物風土記
公開日:2025.03.06
発足50周年を迎えた新石川「宮元神輿保存会」(宮若)の10代目会長を務める
飯嶌(いいじま) 米三さん
新石川在住 65歳
50年の歴史と伝統、次世代に
○…宮元神輿保存会(通称:宮若)に加入したのは27歳の頃。のちの4代目会長の横溝潔さんに誘われたのがきっかけだった。その後25年以上、肩に神輿の重みを感じてきた。「皆、お酒を飲んでよたよたしていたので、最初の頃は無我夢中で担いでいた」と苦笑い。2018年に推薦を受けて同保存会の会長に就任。宮若の歴史の重み”も”感じるようになった。50年という節目を迎え、「宮若らしさを今後も守っていければ」と前を向く。
○…青葉区(当時は港北区)で生まれ育った生粋の「青葉っ子」。山内小、山内中と地元で少年時代を過ごした。「当時は見渡す限り田んぼと畑ばかりだった」と振り返る。保存会の発足からしばらくして、大規模な区画整理が始まり、マンションや住宅地ができた。「人は増えたが、人付き合いは減ったような気がする」。そんな中でも、「例大祭や神輿で、人と人がつながる機会をなくさず、宮若の輪を広げたい」と展望を語る。
○…多忙の合間を縫って年に数回、旅行することが楽しみ。北海道や千葉などを巡り、地酒やグルメを堪能する。寺社巡りも楽しみの一つ。「子育てもひと段落した。これからもいろんな場所に行きたい。でも、一番の楽しみは宮若なんだけどね」と笑顔を見せる。
○…「担ぐだけが神輿じゃない」と、神輿や神酒所の組み立てなど「『作法』や『歴史』も伝えていきたい」と意気込む。会員数も10年ほど前をピークに減少傾向にあるが、宮若の魅力に惹かれ、年に数人ほどは入会する人がいるという。「入会したての頃は、先輩方にいろんな『指導』をしていただいた。諸先輩方の宮若を愛する思い、大切に紡いできた伝統を継承していけたら」と話した。
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