青葉区郷土芸能保存連合会の会長を務める 金子 俊一さん 美しが丘在住 52歳
その土地の”記憶”残す
○…青葉区郷土芸能保存連合会の会長に今年4月就任。平川囃子保存会の副会長も務めながら、区内7団体約100人の会員を束ねる。来たる6月22日、5年ぶりの郷土芸能まつりに向けて、「地域の方に楽しみながら伝統芸能に触れてもらえれば」と意気込む。
○…生まれも育ちも美しが丘。元石川小4年のとき、子ども会が募集していた練習会に妹と一緒に参加したのがお囃子との出合い。はじめは何もわからないまま見様見真似だったが、「お祭りで響く笛の音が好きで。おひねりやお菓子に釣られたのは秘密の話」とほほ笑む。印象に残っているのは先生の「半纏と一緒に会の看板を背負うんだ」という言葉。山内中時代、老人ホームの慰労上演で入居者に手を握ってお礼を言われたとき、喜びと一緒に責任感が芽生えた。
○…もともとコンピューターグラフィックに関心があり、原宿の東京デザイン専門学校に進学。卒業後は川崎の印刷会社で勤務しながら保存会の後輩指導に打ち込んだ。しかし、新型コロナが流行した2020年には祭りや例大祭、郷土芸能まつりも中止に。コロナ明けの会議では、会の存続自体も議題に上がったが、「伝統を継承するのが役割」と、郷土芸能まつり復活に向けてメンバーが一丸となった。
○…一日中パソコン仕事をした後は、合気道の稽古でリフレッシュ。30歳で始めたが、今では横浜市合気道連盟の理事長を務めるまでに。仕事にお囃子、合気道と目まぐるしい日々だが「好きでやっているから」と快活な笑顔。「郷土芸能はその土地土地の記憶そのもの。地域や隣人とのつながりが薄くなってしまっている現代で、文化の伝承を通じてそのつながりを繋ぎとめる役割を果たせたら」と前を向いた。
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