緑区 人物風土記
公開日:2023.04.27
ぷらっとkiricafeの車座トークで講師を務めた
西岡 洋さん
霧が丘在住 91歳
生きる喜び、語りに込めて
○…韓国語通訳として、1999年から約10年にわたり水産庁で韓国漁船取締業務に従事。その経験を生かして今年、霧が丘で開かれた交流企画「車座トーク」で講師を務め、EEZ(排他的経済水域)と日本の漁業の関係性などを解説した。「皆が熱心に聞いてくれた。後日、関心が高まりEEZを新聞で調べた人までいて、うれしかった」とにっこり。
○…東京に生まれ、幼少期から長崎で育った。1945年の体験は今も鮮明に覚えている。原爆投下。中学2年の夏だった。爆心地から約3Km。中学校の医務室で友人たちと過ごしていたとき「突然、光の海に浸かったような感覚だった」。とっさに両手で目と耳を覆い、床に伏せた。4〜5秒の静寂が流れ「あれ?」と思った直後、猛烈な爆風が襲い、轟音とともに窓ガラスや薬瓶などが粉々に散った。恐ろしくなり裏手の山にある防空壕に避難。自宅に戻ると、襖はひしゃげ、窓ガラスの破片は針のように壁に刺さっていた。数日後に迎えた終戦の日。「日本が負けたと知ってワーワー泣いたよ」
○…東京都立大学に進学し、英語学科などで学んだ。卒業後は三菱商事に入社し、主に靴などの輸出入を担当。韓国・釜山に6年駐在したことも。退職後は80歳ごろにピースボートに乗船し、世界一周を経験。さまざまな国の人に原爆の体験を語り、色々な行事の手伝いで多忙だったが「充実した100日間だった。生きているのは、ありがたいことだね」。
○…趣味は音楽鑑賞。「特にモーツァルトが好き。愉快な曲も、心が沈む曲もあり、人生そのものを感じる」。今後は身に着けた韓国語を生かし「韓国文学の翻訳をやりたい」。生涯を通じて挑戦を続ける。生きる喜びを感じながら。
ピックアップ
意見広告・議会報告
緑区 人物風土記の新着記事
コラム
求人特集
外部リンク
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!











