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港北区 トップニュース

公開日:2012.10.04

横浜F・マリノス
地域との共存に活路
赤字解消へ取組み

  • 「自立性の高い経営を目指す」と意気込む嘉悦社長

 日産スタジアム(港北区)をホームグラウンドに持つ横浜F・マリノスが2011年度の決算で5億8500万円の赤字になったことが先ごろ、マリノスからの開示で明らかになった。Jリーグでは今年度決算から、3期連続で赤字を出したクラブはリーグに参加できないなどの規約を定めた「クラブライセンス制度」の導入が決まっており、マリノスは財務の建て直しをするため、奮闘中だ。



 マリノスの決算内容を表した「損益実績表」によると、34億6300万円の営業収益に対して、営業費用が39億7500万円と大幅に上回っている。



 赤字となった理由は、東日本大震災の影響やリーグ戦のホームゲーム17試合のうち、9試合が雨天に見舞われたことなどによる、観客動員数の減少。円高などによる企業業績の圧迫から、広告スポンサーの新規商談の消滅や既存の撤退などが重なったことが要因だ。



 マリノスは今シーズン、11年度の反省をもとに天変地異の影響を最小化するため、年間チケットの拡販や試合当日に来場者へ雨ガッパを配布し、「雨の日でも観戦しやすい」環境を提供することで、リピーター促進を図るなどの対策を行っている。



 同クラブを運営する横浜マリノス(株)の嘉悦(かえつ)朗代表取締役社長は「地域活動に賛同し、スポンサーになって頂ける企業の方が増えている。好調なグッズ販売、過去最高の生徒数となっているスクール事業などを追い風に、選手の強化費などの適切な投資は減らさずに売上を伸ばしていきたい。親会社(日産自動車(株))に頼らない、自立性の高い経営の実現を目指す」と意気込んでいる。



日産自動車の”手法”



 マリノスでは、同社長の前所属先である日産自動車の”手法”を用いて、改革を進めている。



 日産自動車をV字回復させたカルロス・ゴーン社長の組織術をマリノスの体制に合ったものにアレンジしたもので、異なった経験、知識をもったメンバーを集め、多角的な解決策を抽出し、具体的なプランを実行していく方法だ。2010年のシーズンでは、その手法を取り入れ、観客動員数が前年対比16・4%増に伸びた実績もある。



 その一環として、同クラブは港北区を中心とした小学校での、サッカー普及を目的としたスポーツ教室や食育教室を定期的に開いている。



 嘉悦社長は「熱い思いをもってスタッフ一丸となり、横浜、横須賀のホームタウン活動に力を入れている。マリノスの魅力を知って頂き、より皆様に応援されるチームになっていきたい」と話している。

 

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