港北区 人物風土記
公開日:2015.05.21
築60年の日本家屋をアトリエにして運営する
吉田 秀明さん
大豆戸町在住 66歳
亡き夫婦の”形見”伝え残す
○…区内でも屈指の交通量となる大豆戸交差点のほど近く。車両の喧騒が嘘のように耳に入らない一角に、築・約60年にもなる平屋建ての日本家屋がひっそりと佇む。1年前、ここを「アトリエ季布(きふ)」としてオープンさせた。「今では少なくなった昭和30年前半の家屋の美しさ、機能性を広く知って欲しくて始めました」と柔和な笑顔。庭も充実しており、区の「港北オープンガーデン」の1つにも選ばれている。
○…この家は隣家に住んでいた夫婦が建てたもので、先に夫人が、今から数年前に主人が亡くなり、一旦空き家になっていた。「私たちは裏に住んでいて、家族ぐるみのお付き合いがあり、ご夫婦が家屋をとても大切していたのを知っていました。そこでご遺族から譲り受けたんです」。アトリエにしたのは、妻の清子さんが着物を洋服にリフォームする趣味があり、ここを活用したいとの提案から。昨年は2回、展示会を開催した。屋内には真空管のレコードプレーヤー、木目調のラジオ、卓袱台といった”昭和の風景”が色濃く残されている。「『懐かしい。実家に帰ってきたみたい』との声をもらいます」
○…大豆戸町で生まれ育った。当時は一面、山と田んぼだった。「泥だらけになって遊びました」。工作機械を製造・販売する会社に勤務し、定年する10年ほど前に退社、自宅近くで学習塾を経営していた経歴も。家は百年に渡りこの地域に住んでおり、地元への愛着は人一倍強い。「良き伝統を伝えていきたい思いはあります」。淡々としながらも熱意がにじみ出る。
○…「お二人が縁側に座って笑顔を見せてくれている気がします」。存命中の夫婦は近所づきあいを大切にしており、人の来訪を喜んでいたという。「催し物の場として貸し出しも考えています。皆さんに楽しんでもらえるようにしたい」。地域のコニュニケーションを深める場としての役割に期待が集まる。
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