1963年(昭和38年)にオープンした綱島駅ビル商店街が8日、東横線高架橋の耐震化工事のため、52年間の歴史に幕を閉じた。東京急行電鉄(株)は、ビルの今後については「未定」とした。
高度成長期に合わせ1963年10月に駅ビルの先駆けとしてオープンした綱島駅ビル商店街。東横線綱島駅の高架下にある同商店街は2階建てで、駅直結ということもあり地元住民のほかに駅利用者らに「レトロな駅ビルとして」長年親しまれてきた。
耐震工事のため閉鎖となり全店舗の引き渡しが終了次第工事に入るが、本紙の取材に対して東急電鉄広報担当は、解体か改修かなどを含めた具体的な手法や工期に関しては明らかにしておらず「今後の利用方法も現時点では決まっていない」と付け加えた。
昨年5月から次々閉店
商店街の代表を務めた横溝政機氏によると、1階に東急ストアと専門店、2階には居酒屋などが軒を連ね昭和40〜50年代初期に最盛期を迎えたという。商店街に東急電鉄から高架橋耐震化工事に伴う駅ビル閉鎖の話が伝えられたのは今から約3年前のこと。商店街からの「いずれ戻れるのか」との問いに対し「戻れない」との返答だったという。昨年5月の「不二家綱島店」閉店を皮切りに「蓬楽亭」「京樽」(8月)、「ドトールコーヒー綱島駅前店」「フルーツなかやま」(9月)と次々と閉店。横溝氏が経営してきた「はねだや」も1909年(明治42年)から3代に渡り続いた店を11月に閉店させた。横溝氏は「残念だが、綱島の集客の拠点となるような施設を作ってほしい」と、地域の発展に願いを込めた。
惜しまれつつ
商店街に最後まで残った東急ストア(佐々木達哉店長)も4日から売り尽くしのセールを開始。8日に閉店を迎えた。最終日の午後6時前には客が押し寄せ、レジには長蛇の列を作った。利用者からは「20年以上利用したがさみしい」(綱島西在住・主婦)と閉店を惜しむ声や、「昔は下駄屋なんかもあって利用しました」と懐かしむ声が聞かれた。
閉店後、佐々木店長は「多くのお客様からさみしいとの声を頂き大変心苦しい。地域の皆様に支えられてきたことを実感している。再開のめどは立ってはいないが近隣店舗で変わらぬご愛顧をお願いしたい」とあいさつ。周囲から拍手が沸き起こっていた。
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