先月23日、大豆戸町の市道で自転車と軽自動車による死亡事故が発生した。県内でも自転車による人身事故の割合が高い港北区だが、5月頃から発生件数が増加傾向にあるとして、港北警察署は注意を呼び掛けている。
事故現場は信号機のある十字路の交差点で、自転車の男性が亡くなった。区内での死亡事故は今年初で、昨年10月に同日に2件発生して以来211日間ゼロだった。
港北区内の今年1月から4月末時点の人身交通事故の発生件数は172件(前年比28件減)で、負傷者は206人(同24人減)。港北警察署によると事故件数は昨年より減っている一方、4、5月から増加傾向にあるといい、5月28日時点の発生件数は223件(同12件)と、約1カ月で50件ほど増えている。「港北区は人口が多いこともあり、事故件数は市内トップクラス。暖かくなり、子どもも含めて新生活に慣れて気が緩みやすい時期。改めて交通ルールを意識してもらいたい」と担当者は話す。
自転車、死亡割合高く
同署によると港北区内の自転車の人身事故の発生割合は県内でも高く、4月末時点で40件と全体の2割を占める。昨年10月の2件の死亡事故も、いずれも死者は自転車の利用者だったという。一方、自転車側が被疑者になるケースも。「加害者にも被害者にもなる可能性がある。けがを負わせると重い結果になり得るという緊張感を持ち、車と同様、ルールを守って無謀な運転はしないでほしい」と呼び掛ける。
自転車をめぐっては、2023年4月からヘルメットの着用が努力義務化されたほか、昨年11月から飲酒も罰則を強化。来年4月には、交通違反に対して反則金を納付させる「青切符」の導入も進める方針だ。これにより、携帯電話での「ながら運転」、逆走や歩道通行などの通行区分違反や信号無視などに重点的な取り締まりが行われるようになる。同署では自転車教育の対策強化として、学校や自治会への交通安全教室や企業への講話などを実施しているほか、商業施設などで来店者に注意喚起するチラシの配布などに取り組む。「クイズ形式で交通学習できるアプリ『かながわポリス』なども活用し、改めてルールを学んでほしい」としている。