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公開日:2026.01.29
大倉山記念館
ドローン等で3D化
「今の姿」をデジタル保存
横浜市港北区のシンボルで、市指定有形文化財でもある「横浜市大倉山記念館」で1月19日、最新技術を駆使したデジタルアーカイブ化の調査が行われた。ドローンや360度スキャニングカメラを用いて建物の「今の姿」を精密な三次元(3D)データとして記録する、同館初の試みだ。
冬晴れの下、撮影は午前9時から開始された。風速を確認しながら上昇したドローンは、最大高度145メートルに到達。モニターにはみなとみらいや新川崎、品川方面まで見渡すパノラマが映し出された。普段は見ることができない塔の最上部や真上からのアングルに、関係者からも「外壁工事の足場を組んだ時くらいしか見られない」「障害物なく綺麗に見えてすごい」と驚きの声が上がっていた。
歴史を「可視化」
同館は、1932(昭和7)年に設立された「大倉精神文化研究所」の本館として竣工した歴史を持つ。プロジェクトを主導した建物デジタル診断研究会の内山岳彦代表は、もともと同研究所の理事を務めており、建物の構造や内情を熟知していることから今回の行動に至った。内山代表は目的を「建物を歴史的資産として3Dで残すこと」と強調し、今後については「スキャンしたデータを動画にするなどして、一般公開につなげていけたら」と展望を語った。
また、同研究所の平井誠二理事長は「屋根が平らなのか、ボコボコなのか。子どもたちが絵を描いてもそこがどうなっているか誰も描けない。ドローンなら視覚化できる」と、教育的活用の意義を語った。さらに館内の意匠についても、同館入口を見上げると並ぶ16体のテラコッタ彫刻は顔が一体ずつ異なり「どこから見てもどれかと目が合うように作られている」とその特徴に言及。こうした細部の意匠も、高精細カメラで輪郭や質感などを確認できることに期待を寄せた。
文化財維持のDX化
当日、ドローン操縦を担当した合同会社INVAPL(インバプル)の三嶋滋憲代表は、デジタル技術がもたらす維持管理への有用性を説く。「外壁塗装の経年劣化による浮きや剥がれなどは、赤外線センサー等を搭載して飛ばすことで診断が可能になります」と説明。さらに「酷暑の中、手作業で屋根に登る危険を代替でき、安全性の向上にも寄与できるはず」と、ドローン活用が文化財の長寿化を支える可能性を示唆した。
学術研究の貴重な一歩
記念館は文化財保護や公園緑地としての観点から、本来はドローンの飛行が厳しく制限されているエリア。澁谷敏夫館長は「今回は市の文化財課や教育委員会との対話を重ね、学術研究という公共性の高い目的で特別に認められました。歴史を後世に伝えるための貴重な機会であることをご理解いただければ」とし、文化財を守るため、各所の協力のもとで実現したことを強調した。
取得されたデータはクラウド上で3D処理され、歴史的建造物の保存・診断の新しいモデルケースとして、今後の活用が期待される。
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