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公開日:2026.05.21
自転車「青切符」導入から1カ月、港北区の現状。区内交付ゼロで啓発強化へ
自転車の交通反則通告制度(いわゆる青切符制度)が導入されてから、5月で1カ月が経過した。港北警察署の工藤誉交通課長と、港北区地域振興課の担当者に、区内の現状と今後の啓発活動について話を聞いた。
4月1日の制度開始から5月12日までの間、港北署管内における青切符の交付件数は「ゼロ」。神奈川県内全体では約40件の告知があったが、同署の工藤課長は「警察官の指示に従ってもらうことが前提。区内でも指導・警告はあった」と説明する。青切符は比較的軽微な違反が対象だが、酒酔い運転やブレーキ不良、踏切への立ち入りといった事故に直結する危険な違反は、従来通り罰則の重い「赤切符」の対象となる。
区内で特に目立つ違反は、逆走(右側通行)と一時不停止だ。特に日吉や綱島といった駅周辺の狭い道路や一方通行の多いエリアで散見されるという。一方で、制度導入後は「ながらスマホ」や歩道走行を控えるなど、利用者の意識に若干の変化も見え始めている。工藤課長は「自転車は車両であり、加害者にも被害者にもなり得る。慣れによる油断が一番の落とし穴」と警鐘を鳴らす。
平均上回る事故数
制度上の切符交付こそないものの、現場の状況は楽観視できない。港北区内における今年の人身事故発生件数は、5月12日時点で210件(前年同期比20件増)。そのうち自転車が関係する事故は57件に上り、全事故の27・1%を占めている。これは県内平均の23・2%を大きく上回る数字だ。
統計上は死亡事故ゼロとなっているが、3月には自転車で走行中、下り坂で転倒した高齢女性が数日後に亡くなる事案も発生している。工藤課長は「ヘルメットを着用していれば防げたかもしれないけがは多い。頭部を守ることの重要性を再認識してほしい」と切実に訴える。また、生活道路の制限速度を30キロに抑え、ハンプ(段差)などの物理的デバイスを組み合わせた「ゾーン30プラス」の整備も、土木事務所などの道路管理者と連携して進めている。
官民が結ぶマナーの輪
区民の関心も高く、港北区役所地域振興課には制度開始後、問い合わせや相談が増えている。これを受け、5月末には篠原地域ケアプラザで、同課と港北警察署が合同で実施する自転車ルールの座学講習会が予定されている。区の担当者は「地域からの要望に応じ、今後も出張講座などで丁寧に対応していきたい」と話す。
また、横浜F・マリノスの選手が出演する交通安全啓発動画も制作された。現在は区役所や横浜アリーナ、日産スタジアムで放映されており、今後は民間の商業施設などへの展開も検討されている。行政と警察、そして地域が一体となった「安全な街づくり」への取り組みは、新制度の定着とともに加速している。
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