居住者の約4割が65歳以上で、高齢化の問題を抱える勝田団地。孤立死を防ぐことを目的に、2008年から連合自治会などを中心に見守り活動を続けており、6月21日には全1534世帯を対象に安否確認訓練が行われた。団地ならではのネットワークを活かした活動が徐々に成果を出しつつある。
勝田団地は港北ニュータウンの造成に伴い、1967年に入居開始。現在は全41棟で約2300人が生活する。都筑区は平均年齢が最も若い区として知られているが、その一方で同団地は65歳以上の人口が1000人以上、うち一人暮らしは約600人。10年ほど前から誰にも看取られず部屋で死亡する孤立死が確認されるようになり、対応に苦心していた。
この状況を受け、かちだ連合自治会(中山敏明会長)や民生委員などが中心となり、「かちだ地区おもいやりネットワーク連絡会」を08年に設立。孤立死防止だけでなく、日ごろの見守り活動や災害時を想定した安否確認などを独自に取り組んできた。
命つなぐドアの磁石
勝田団地は住民の中から、各棟の階段ごとに「階段委員」を任命。自治会費の集金や回覧板の配布を取り仕切るほか、定期的にチェックする項目がある。ドアに貼りつけられた磁石の有無だ。この磁石をドアの外側に貼りつけることで「無事」を意思表示できる。この取組の中で、体調不良で寝込んでいた高齢者を迅速に発見できた事例もあったという。
4回目となる今回の訓練は階段委員が磁石をチェックし、各棟の代表に連絡。その後本部へ通達するという流れで行われた。全1534世帯の安否確認は1時間半で完了。確認率は約9割に上った。
これら独自の活動が功を奏し、孤立死は減少傾向に。あいさつや声かけなどのさりげない習慣を心がけ、見守りの輪が広がっているのがその背景にある。中山会長は「勝田団地の自治会加入率は99%で、区内でも高水準。人付き合いの良さを活かして、高齢者でも安心して暮らしやすい団地にしていきたい」と展望する。訓練は定期的に実施しており、さらなるネットワークの強化を視野に入れ、次回10月頃に行う予定だ。
都筑区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>